大商大野球部に台湾人留学生、謝喬恩が入部 「大豊さん」になじみのある記者も期待
台湾人留学生の謝喬恩選手が、大商大野球部に入部。全国大会常連校でリーグ戦 6 連覇中の常勝軍団に、海外出身の野球留学生が在学するのは史上初。

大商大野球部に台湾人留学生、謝喬恩が入部 「大豊さん」になじみのある記者も期待
2023 年 8 月 13 日、高知中央対履正社の 4 回裏、履正社 1 死満塁の場面で、小川の左前 2 点適時打で本塁へ返球する謝喬恩選手。関西の大学野球へ気になる新入生の選手情報が飛び込んできた。台湾人留学生で 23 年夏に高知中央の中堅手として出場した謝喬恩外野手(シャ・チャオエン=3 年)が、全国大会常連校でリーグ戦 6 連覇中の常勝軍団・大商大へ進学する。同大学に海外出身の野球留学生が在学するのは史上初のこと。
謝選手が甲子園出場時に取材した記者は、当時勉強中の日本語をじっくりと丁寧に話し、冷静な性格だったと記憶している。スタンドではわが子の活躍に、来日した両親が狂喜乱舞。その様子を写真に収めていくうちに、聖地のプレーを楽しむわが子と、応援する両親の関係性に普段は 2 国間を生活拠点にする、親子のつながりの深さを間近に感じた。
高校入学に際し来日した謝選手は現在、日本語をマスターし、流ちょうに仲間と会話しているようだ。富山陽一監督(60)は「競争やからね」と特別扱いはしない方向だ。
記者にとって、“台湾人留学生”にピンときたのは、15 年に 51 歳の若さでこの世を去った、中日や阪神 OB・大豊泰昭氏だ。94 年には一本足打法で本塁打王を獲得。自分よりも年齢ははるか上の方だが、海を越えての挑戦と成功に小学生ながら感銘を受けた。大豊さんは台湾から名古屋商大を経て中日へ。02 年現役引退後は中日アジア地区スカウトとして、A クラス街道の一翼を担ったチェン・ウェイン投手の獲得に貢献。謝選手は、走攻守 3 拍子ぞろいで、中軸を担う大豊さんとは異なるが、近年は NPB で上位指名が続く大商大行きには当然、その夢も選択の 1 つとしてあるのではないか。チーム合流後の謝選手へ、大学も日本に身を置いた決断や、その覚悟を早く尋ねてみたい。
「大商大の謝」として今後は、A チームのベンチ入りに向けての奮闘の日々が始まる。大学野球の全国大会の舞台・東京ドームや神宮球場で謝選手が快音を響かせる日が楽しみだ。