天理大・大森瑛斗、リーグ新記録9連覇へ「束になって戦う」
天理大学の大森瑛斗選手が、リーグ新記録の9連覇を目指します。堅実な守備と打撃でチームを牽引する大森選手の活躍に注目です。

天理大・大森瑛斗、リーグ新記録9連覇へ「束になって戦う」
阪神大学野球春季リーグが 5 日にほっともっと神戸で開幕する。リーグ新記録の 9 連覇を狙う天理大には新たな“顔”が誕生した。昨秋に二塁レギュラーの座をつかみ、ベストナインを初受賞した大森瑛斗内野手(3 年=愛工大名電)。入学後はチームのリーグ優勝しか知らない男だ。高校時代から名門でしのぎを削り、3 軍制を敷く天理大でも強肩を生かした堅守で 1 年秋に 1 軍昇格。高校 3 年時に亡くなった同学年のチームメートへの思いも胸に、さらなる高みを目指す。
新たなチームの顔、大森が天理大をリーグ史上初の 9 連覇に導く。
愛工大名電(愛知)では 2 年春から主力。夏の甲子園には 2 年連続で出場し、3 年夏は同校 41 年ぶりの 8 強入りに貢献した。天理大入学後はチームのリーグ優勝しか知らない“持っている男”だ。
3 軍制を敷く天理大ではメンバー入りへ、泥臭く這い上がった。全体練習後は毎日、居残りで先輩に頼み込んで、200 球のノックでグラブさばきを磨いた。強肩を生かした堅実な守備は今や武器の 1 つとなっている。
高校 3 年の 6 月、同学年のチームメート瀬戸勝登さんを心不全で亡くした。落ち込んだ時、いつも真っ先に声をかけてくれた友との突然の別れ。選手内には「このまま夏の大会を辞退したい」との声も挙がったが、遺族から「頑張ってほしい」と背中を押され、全国屈指の激戦区でもある愛知県で 2 連覇を成し遂げた。
「同期とは年に 1 回、(瀬戸さん宅に)報告に行きます。感謝の気持ちを忘れずに野球に取り組んでいます」仲間への思いを胸に秘め、大学進学後も妥協のない毎日を過ごしている。
2 年時の春から秋は 9 番、6 番と打順を上げ、不動の 4 番だった石飛智洋(現日産自動車)の前後の 3 番、5 番も経験。「(一丸となる)大人の野球が身につきました。束になって戦うからこそ天理の良さが出る」。今は主軸として風格が全身から漂う。
座右の銘は「雪に耐えて梅花麗し」。2 月の合宿時は 1 日約 12 時間の猛練習を乗り切るなど、厳しい環境で勝ち癖を養ってきた。目指すは頂点のみだ。
あこがれの存在は、前主将の下林源太(現大阪ガス)。勝負強い打撃と堅守を前面に押し出し、精神的支柱だった先輩の背中を追う。