朝青龍が通った高砂部屋が移転 朝乃山は心機一転、復活を
大相撲の高砂部屋が移転し、OB で 25 度の優勝を誇るモンゴル出身の元横綱朝青龍のドルゴルスレン・ダグワドルジ氏も出席した。朝乃山は心機一転、復活を目指す。

移転した高砂部屋の部屋開きが行われ、師匠の高砂親方(前列左から 2 人目)のほか、元横綱朝青龍のドルゴルスレン・ダグワドルジ氏(同右端)らが参加した。 【ベテラン記者コラム】大相撲の高砂部屋の部屋開きが 2 日、東京都墨田区で行われ、OB で 25 度の優勝を誇るモンゴル出身の元横綱朝青龍のドルゴルスレン・ダグワドルジ氏も出席した。 【祖父母らと 4 ショット】豊昇龍の祖母「(元朝青龍に)どんどん似てきた」 令和 2 年 11 月に元大関朝潮の先代師匠(同 5 年に死去)から部屋を継承した高砂親方(元関脇朝赤龍)は、「伝統を受け継ぎながら新しい風を吹かせたい」と決意表明した。部屋は同区本所から石原に移転。建物は 3 階建てで幕下以下が生活する大部屋はなく 5、6 人用の部屋を 5 つ設けた。ダグワドルジ氏も「いい稽古場だ」と喜んだ。 先代師匠は生前、「いい師匠人生だった。いろんな意味でついている人生を送っているかと思う」と振り返っていた。その一方で「問題を起こす横綱もいたし、いろいろ苦労もした。少し落ち着いてきたら、朝乃山がタケノコのようにひょこひょこ伸びてきた」。問題行動を繰り返し、引退に追い込まれたダグワドルジ氏には「かばうにもかばい切れない。自業自得」と〝大ちゃん節〟で周囲を笑わせた。 ダグワドルジ氏は現役だった平成 16 年 7 月の名古屋場所後に東京都内で泥酔し、高砂部屋の玄関ドアのガラスを割った。さらに知人が飲み過ぎて気分が悪くなり救急車が出動する騒ぎになった。19 年 7 月には腰椎疲労骨折などの診断書を出して夏巡業を欠場しながら、帰国したモンゴルでサッカーの試合に出場したことが判明。2 場所出場停止と 4 カ月の給与減額処分を受けた。 他にも本場所直前にモンゴル出身力士を集めてゴルフコンペを開いたり、本場所の土俵上で横綱白鵬とにらみ合ったりしたことなどで、5 度も厳重注意処分を受けた。横綱としての「品格」がたびたび問題視され、22 年 1 月の初場所中に暴行騒ぎを起こし翌 2 月に引退に追い込まれた。 朝乃山は昨年 7 月の名古屋場所中に左膝靱帯(じんたい)断裂などの大けがを負い手術。3 場所連続全休で 3 月の春場所は自身の不祥事による 6 カ月出場停止処分から再起した令和 4 年名古屋場所以来となる三段目転落が確実となっている。幕内経験者が三段目以下に 2 度転落後、再入幕した例はない。「土俵に戻りたい。心機一転、頑張りたい」と意欲を語った。 コロナ禍に日本相撲協会の外出禁止期間に飲食店へ何度も通っていたことが、3 年 5 月の夏場所中に発覚。協会の調査に対する虚偽報告もあり、同 7 月の名古屋場所から 6 場所、1 年間の出場停止の重い処分を受けた。 ダグワドルジ氏が騒動を起こす度に足を運び、何時間も部屋の前で張り込みをした高砂部屋の移転には時の流れを感じる。元横綱と同じく不祥事で出場停止処分を受けた元大関には、新天地での復活を期待したい。
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