大の里、11連勝で優勝へ!相撲巧者の技と勘が光る大相撲夏場所
大の里が若隆景を寄り倒しで退け、11連勝を達成。相撲巧者の技と勘が光る取り口で、優勝へ向けて順調な滑り出し。

大相撲夏場所11日目、大関・大の里が小結・若隆景を寄り倒しで退け、11連勝を達成した。立ち合いから若隆景の右差しで出足を止められ、もろ差しを許す苦しい展開となったが、大の里は慌てずに右上手を取りつつ、左で若隆景の頭を横にずらす巧みな動きを見せた。
そこから下手投げにきた若隆景を、押しつぶすように体を預けて寄り倒した。九重審判長(元大関・千代大海)は「若隆景にとっては『あの形で負けるのか』という心境ではないか」と語り、特に下がりながらも左で頭をずらした動きに着目した。
大の里より55キロ軽い若隆景は、少しでも正面に相手を置いて圧力を伝えたいが、九重審判長はその圧力をずらした瞬時の動きに「大の里の相撲勘の良さと技術の高さが表れていた」と評価。さながら「難攻不落」の取り口をたたえた。
若隆景は優勝経験があり、けがで関脇から幕下まで番付を落としても再び三役まで上がってきた強豪。大の里は既に勝ち越しを決めている好調の相撲巧者も降し、初日から土つかずの11勝を飾るのは、2回目の優勝を遂げた2024年秋場所以来。
いつもは「明日も集中します」と繰り返す大の里だが、この日は「もう一度、集中し直します」と自ら手綱を締めた。優勝へ向けて順調な滑り出しを見せる大の里の今後の活躍が期待される。