【MLB】エンゼルス、レンドーン契約で巨額損失発生か…オーナーの保険未加入が原因
エンゼルスのアート・モレノオーナーが左股関節手術のため長期欠場が決定的となったアンソニー・レンドーンや他の選手に「保険をかけていなかった」と報じた。

エンゼルス、レンドーン契約で巨額損失発生か…オーナーの保険未加入が原因
球界内で「不良債権」とも揶揄される名手の“扱い方”はやはりまずかった。現地時間 2 月 16 日、米メディア『The Athletic』は、エンゼルスのアート・モレノオーナーが左股関節手術のため長期欠場が決定的となったアンソニー・レンドーンや他の選手に「保険をかけていなかった」と報じた。
エンゼルスは 2019 年のオフに当時のナショナル・リーグ打点王だったレンドーンと 7 年総額 2 億 4500 万ドル(約 378 億円)のメガディールを締結。しかし、期待を背負った名手は、相次ぐ故障の影響で低調なパフォーマンスに終始。直近 3 年間で出場試合数がわずか 147 試合と、契約規模に見合った稼働ができておらず、巷では「史上最悪の契約」とも揶揄される事態となっていた。
開幕を前にした怪我によって現役引退も囁かれるレンドーンがクローズアップされる中、明るみになったのはエンゼルスの球団経営の内情だ。『The Athletic』によれば、実権を牛耳るモレノ氏が一部選手の保険をかけなかった理由は「追加費用を負担することを望んでいないから」。ただ、そんなワンマンオーナーの決断によってエンゼルスは 5000 万ドル(約 76 億円)以上の損失を被る可能性があるという。
この一報は瞬く間に球界を駆け巡り、エンゼルス幹部の対応は米メディアでも批判の的となった。米老舗スポーツ誌『Sports Illustrated』は「レンドーンは 25 年を全休する可能性すらあるが、エンゼルスは彼に支払う 3860 万ドル(約 58 億 6720 円)の給与を一切回収できないだろう」と指摘。「先見の明の無さが、さらにコストを増大させ、チームの重荷になっている」と名物オーナーを糾弾した。
「レンドーンの交わした契約規模を考えると、保険に加入するのは賢明な選択だった。エンゼルスはこれまで、彼との契約で全額を“無駄に”負担し続けており、数々の負傷によって一銭の回収もできていない」
さらに米メディア『Fan Sided』は「ショウヘイ・オオタニの退団以来、最悪のニュース」と強調。エンゼルスの綿密さに欠ける運営について「とても滑稽で、ひたすらに残念でしかない。レンドーンがいつまで故障者リストにいるかは神のみぞ知るという状況で、その間もエンゼルスは給与を負担し続ける。こうした中でオーナーが正しくお金を使わないなら、ファンはその理由を知るべきだ」と嘆いた。
昨シーズンに球団ワーストとなる年間 99 敗を喫したエンゼルス。今季はそこからの捲土重来を期する 1 年となるはずだったが、その船出は前途多難だ。