ドジャース・大谷、投手復帰へ新兵器「アクアバッグ」で全身トレ
ドジャースの大谷翔平投手が新兵器「アクアバッグ」を導入し、投手復帰へ向けて全身トレーニングを行っている。

ドジャースの大谷翔平投手(30 歳)が 2 月 7 日(日本時間 8 日)、キャンプ地で 5 日連続の自主トレを行い、新兵器「アクアバッグ」を導入した。水が注入された直径 35.89 センチのビニール製のボールで、両手で握って投球動作を繰り返し、体幹やバランス感覚を強化している。11 日(同 12 日)のバッテリー組キャンプ初日に向けて、万全の準備を整えていく。アリゾナ特有の強烈な日差しの下、最高気温は 25 度まで上昇した。大谷は「壁当て」のルーティンの合間に、水の入ったビニール製の球体を両手で持ち上げた。そのまま、左足を上げて前方に踏み込み、球体は右耳の後ろ、テイクバックのトップの位置まで持ってくる動きを反復した。これは投球動作の始動部分だった。球体の正体は「アクアバッグ」(Joyplus 社製)で、日本の Amazon では税込み 1 万 9804 円で「究極の全身トレーニング」と紹介されている代物だ。直径 35.89 センチで左右に持ち手があり、水を目的の量に合わせて注入でき、最大重量は 33 ポンド(約 14.9 キロ)。ランジトレーニング(股関節や膝関節の曲げ伸ばし)や上半身のトレーニングにも使え、不規則な水の動きに耐えることによって、体幹やバランス感覚の強化が期待できる。23 年 9 月の右肘手術から 2 年ぶりの投手復帰へ、安定した投球フォームの再現性を高める狙いがあるとみられる。軟らかく滑らかな表面で、不意に足の上などに落としてしまってもダメージはほぼない安全性も備える。昨春のキャンプでも GPS などを使ってスピードなどを計測する「デジタルブラジャー」や、赤い小型バズーカのような打撃用の投球マシンを導入した。開幕直後にはロバート・バンスコヨック打撃コーチが購入したというクリケット用のバットで打撃練習し、不振を脱出。最新の練習法や創意工夫を重ね、「50―50(54 本塁打、59 盗塁)」などの歴史的な活躍につなげた。今回の自主トレ期間中は投手としてノーワインドアップやグラブを持つ左手を畳むような新フォームも試している。昨秋のワールドシリーズで脱臼した左肩手術後のリハビリは順調で、1 日には「スケジュール通りに来ている。スムーズにスプリングトレーニングに入って、シーズンに入れるんじゃないかなと思っている」と話していた。変化を恐れず、課題に黙々と取り組む。米 8 年目もブレずに、進化を求めていく。