ダニール・メドベージェフ、引退説を否定!苦境からの復活を誓う
元世界ランキング1位のダニール・メドベージェフが、不調続きの中でも引退を否定し、テニスへの情熱と復活への意欲を語る。

不調続きのメドベージェフ
2021年全米オープンでの四大大会初優勝を含む、ツアー20勝を挙げている男子テニス元世界ランキング1位のダニール・メドベージェフ(ロシア/現7位)が苦しんでいる。昨季は7年ぶりに無冠に終わり、新シーズンに入っても結果が出せていない。
今シーズンの苦戦
今シーズンは1月の「全豪オープン」2回戦で予選勝者の19歳ラーナー・ティエン(アメリカ/現81位)に敗れるなど、復調の兆しが見えてこない。さらに、今週の「ABNアムロ・オープン」では、予選勝者で格下のマッティア・ベルッチ(イタリア/同92位)にフルセットの接戦の末に敗れ、ベスト8進出を逃した。
チームの変化
先日、昨年2月にアドバイザーとして自身のチームに招聘したジル・シモン氏(フランス/元6位/22年引退)との関係を解消したメドベージェフ。一方で、長年のコーチであるジル・セルバラ氏とはまだ仕事を続けており、かけがえのない恩師と共にいち早くトンネルを抜け出したいところだろう。
引退説への反応
最近は負けが込んでいるメドベージェフに「間もなくキャリアを終えるのではないか」との“引退説”が囁かれ始めている。しかし、ベルッチとの試合を終えた後の会見で引退説について問われると、次のように答えた。
「僕はテニスが大好きだし、今でも大金を勝ち取っている。できる限りはプレーを続けるつもりだ。仮にトップ100から脱落したら、また考えなければならないけど、おそらくそれ(引退)はまだ来ないと思う。十分に強くなって戻ってくると確信している。それだけだ」
今後の課題
しかし近年のプロテニスのトレンドとも言える“球足の遅いサーフェス”と“パワーが伝わりにくいボール”では現状を打開するのは難しいかもしれないと、2023年5月のイタリア国際(ATP1000)以来ツアー優勝がないメドベージェフは不安をのぞかせる。会見の最後には「今のような状況ではレースを主導できるほどの力はない」と現実の厳しさも語った。
未来への期待
コートのサーフェス(種類)やボールの変化に加え、近年の男子テニス界では数多くの若手が頭角を現している。その中で中堅のメドベージェフがまた勝てるようになるまでには前途多難な道のりが待っているかもしれないが、何とか踏ん張ってくれることを願いたい。