京都共栄学園の小林快投、鳳凰フォームで甲子園目指す!
京都共栄学園の小林海翔投手が鳳凰のような変則投法で甲子園出場を目指す。2回戦で同志社国際を7回コールドで破り、好発進を決めた。

小林海翔の鳳凰投法が光る
第107回全国高校野球選手権京都大会2回戦で、京都共栄学園が同志社国際を10-1の7回コールドで下し、初戦を突破しました。先発左腕の小林海翔投手(3年)が6回を2安打1失点の好投を見せ、今春の選抜大会4強に導いた浦和実・石戸颯汰に続く「変則左腕旋風」を夏の甲子園でも起こすべく、春夏通じて初の聖地出場へ好発進を決めました。
鳳凰のようなフォーム
世界遺産・平等院鳳凰堂から約4キロ離れた太陽が丘球場に、赤い翼の鳳凰がいました。京都共栄学園の左腕・小林は右足を上げた直後、鳥が羽根をバサッと広げるかのごとく両腕を大きく開きます。「球の見えづらさ、タイミングの合わせづらさを意識しています」。赤いユニホームは、まるで赤い羽根。この「鳳凰投法」で打者を惑わせて6三振を奪うなど6回2安打1失点に抑え、夏初戦を勢いよく飛び出しました。
変則投法の確立
西脇工(兵庫)時代に巨人・大勢を指導した木谷忠弘監督の下、変則投法にたどり着きました。「投球の全てを木谷先生とつくりました」。一般的な投球フォームだった2年秋までは2番手に甘んじていましたが、両腕を横一直線に広げてから左腕を振る形を試すと、上半身と下半身の動きが連動して球に力が伝わるようになりました。初めて背番号1を与えられた今春の京都大会で初優勝。変則投法のおかげで才能が開花しました。
甲子園への道
今春の選抜大会では甲子園初出場の浦和実が、右足を極端に上げる左腕・石戸を中心に4強入りして話題を呼びました。同校は春夏通じて初の聖地へ、次戦が甲子園春夏7度出場の福知山成美、4回戦では昨夏日本一の京都国際と対戦する可能性があります。
「もう一度、京都で優勝して甲子園に行きたい」。鳳凰は中国の神話に由来する伝説の鳥で、幸運の象徴――。難敵の連続を不運ではなく、「変則左腕旋風」への追い風とする。(河合 洋介)
小林海翔のプロフィール
小林 海翔(こばやし・かいと)2008年(平20)1月14日生まれ、兵庫県朝来市出身の17歳。小4から竹田少年野球クラブで野球を始めて投手。中学では姫路アイアンズに所属。京都共栄学園では1年春から背番号18でベンチ入りし、3年春から背番号1。1メートル74、76キロ。左投げ左打ち。