湘南ベルマーレ石井久継、U-20 日本代表での自信と今季負けなしの絶好調
湘南ベルマーレの石井久継は U-20 日本代表で大きく成長し、今季負けなしを継続中。横浜 F・マリノス戦では、FW の 2 選手が欠場の非常事態にもかかわらず、チームの意図を感じていた。

石井久継、U-20 日本代表での自信と今季負けなしの絶好調
湘南ベルマーレの石井久継は、U-20 日本代表での経験を経て、大きく成長している。AFC・U-20 アジアカップではベスト 4 進出という好成績を残し、FIFA・U-20 ワールドカップ(W 杯)の出場権も獲得した。
中国・深圳で行われた AFC・U-20 アジアカップで日本はベスト 4 へ進出し、今秋に南米チリで開催される FIFA・U-20 ワールドカップ(W 杯)の出場権を獲得した。しかし、26 日の準決勝で U-20 オーストラリア代表に 0-2 で完敗し、もうひとつの目標にすえていたアジア制覇を逃してしまった。
オーストラリアが PK 戦で U-20 サウジアラビア代表を破り、アジア王者になった決勝が行われた 1 日に、湘南は横浜 F・マリノスとの J1 リーグ第 4 節に臨んだ。物理的には敵地・日産スタジアムへ乗り込む神奈川ダービーに間に合う。だからこそ、石井は機内でさまざまな工夫を凝らした。
加圧器で腹筋などに刺激を入れ、ストレッチを入念に繰り返した理由を石井はこう振り返る。
「アジアカップから帰ってきてからの話は、チーム側と特にしていませんでした。でも、もし試合に出たとしてもしっかりと結果を残せるように、自分にできることをやっていたつもりです。体を鍛えるというよりは、ちょっとでも疲れを取り除こうと。いま思うと、準備していてよかったですね」
中国の地では、準決勝までの全 5 試合でピッチに立った。すべて中 2 日で行われた過密日程。そのうち先発出場が 4 回を、プレータイムは 393 分を数えた。疲れていない、といえば嘘になる。石井も心の片隅で「試合に出る、出ないにしろ、やらないんじゃないか……」と別メニュー調整を予想していた。
しかし、帰国から一夜明けた 28 日に予想はいい意味で裏切られた。マリノス戦の前日練習で、石井はチームメイトたちとともにフルメニューを消化した。畑大雅が「あいつは『きついですよ、やばいですよ』と言っていました」と苦笑した前日練習を、石井はポジティブに受け止めていた。
「試合で使いたい、早くコンディションを戻してくれ、というチームの意図を感じていました」
迎えたマリノス戦。絶好調に映った湘南は、実は非常事態に直面していた。浦和レッズとの前節で先制ゴールとなる今シーズン 2 点目を決めながら、ハーフタイムに交代していた福田翔生が欠場。さらに浦和の選手に中指を立てる行為が確認されたルキアンも、クラブから出場自粛処分が科された。
「ベンチのメンバーを見たら、フォワードは自分ともう一人だけだったので。どこで出るにしてもやるべきプレーは変わらないし、中国から帰ってきたばかりといっても、去年、一昨年から智さん(山口智監督)やチームメイトとは長くやってきたので不安な気持ちもなかったし、自信をもって臨めました」