U-20 日本代表 FW 高岡伶颯、ピッチに熱量と価値ある同点弾をもたらす

U-20 日本代表 FW 高岡伶颯が、劣勢の中で値千金の同点ゴールを決め、チームを救った。

U-20 日本代表 FW 高岡伶颯、ピッチに熱量と価値ある同点弾をもたらす

U-20 日本代表を救う一撃!! FW 高岡伶颯が値千金の同点ゴール!! 1-2 という劣勢で、負ければグループリーグ敗退の可能性も上がる逆境のなか、後半 25 分に途中出場した。求められたものは勢いと得点。ごくシンプルゆえに難しい状況も、U-20 日本代表 FW 高岡伶颯(日章学園高)の心は「燃えるっすね」。後半 40 分に値千金の同点ゴールを挙げた。

日本はシリアのカウンターに苦しんだ。前半 10 分に鋭い速攻から失点を喫し、24 分に MF 大関友翔のゴールで一時は追いつくも、33 分にはセットプレーで再び失点。その後も強度の高いシリアの攻撃に肝を冷やす展開が続いた。

1-2 のまま流れを変えられない日本は、後半 25 分に 3 枚目の交代カードを使い、高岡が投入された。役割はシンプルだった。「本当に苦しい展開で、今回サブからの出場だったのでわかりやすかった。チームメイトも苦しんでいたので、(役割は)そのなかで自分が流れを変えること」(高岡)。ピッチに入った瞬間、手を何度も強く叩きながら、大きな声でチームを鼓舞した。

「一番の武器である高体連で培ってきた声のところで、チームをまとめる部分は今回役に立った」。高岡の熱量に、チームは再び勢いを取り戻す。

少しずつチャンスを作り始めると、後半 40 分に待望の同点ゴールが決まった。

敵陣内の混戦からボールを収めた MF 石井久継が、PA 左からゴール前に折り返す。待ち構えていたのは高岡。「本当にいいパスが来て、あとは流し込むだけだった。でも、あそこにいることに意味がある。その前に色んな選手が走ってスペースができた」。仲間がつないだボールを体を張って押し込み、「チーム全員で取ったゴール」(高岡)に喜びを爆発させた。

高岡のゴールで 2-2 のドローとなり、勝ち点 1 を分け合った。グループリーグ突破を懸けて第 3 戦の韓国戦へ。高岡は次戦に向けて「もっともっとアグレッシブに、スタートからでもサブからでもいい準備ができるようにしたい」と力を込めた。

ベンチスタートで試合を見守るしかできない時間は、サッカー選手として歯がゆいはず。それでも高岡は「サブが勝負を決めると、自分の中で思っている」と矜持を語る。

「ポーランド戦のときも、セネガル戦のときもそうだった。チームでも高校でもそういうのがあった。本当に苦しい中でサブがチームを助けるというのは、ひとつの武器でもある。自分の特長としてそうやって雰囲気を変えるのは強みでもある。思う存分これからも発揮していきたい」

引き合いに出した 2 試合は、2 年前に行われた U-17 ワールドカップのグループリーグだった。高岡は大会 4 得点のうち、ポーランド戦とセネガル戦の 2 試合で途中出場から勝利を決める 3 ゴールを決めていた。

船越優蔵監督は「最後点がほしいときに誰だっていう話になると、やっぱり高岡」と称賛した。大関も逆境に物怖じしない高岡の姿勢を称える。「あいつ何も考えずにというか(笑)。ずっとポジティブな声かけをしていたし、おれにボール寄越せと言わんばかりの顔をしていた。何かやってくれそうな期待感があるし、ボールも集まるので、年下だけど本当に頼りになる」。そのポジティブな熱量にチームは救われる形となった。

高岡自身は今大会初ゴールに喜びを示しつつ、気持ちはすでに切り替えている。「初ゴールは嬉しいけど、でももっともっと結果を出して、自分の目標としている A 代表だったり、そういうところに近づくにはもっと得点の量産をしないといけない。でもそのためには焦らず、しっかり自分のサッカーをして次の韓国戦に向けて戦っていきたい」。勝ち点 1 とともに手にした勢いで、20 日の大一番に臨んでいく。

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