テニス界に波紋を広げるシナーのドーピング問題

男子テニス世界ランク1位のヤニック・シナーがドーピング問題で3カ月間の出場停止処分を受けることに批判的な意見が続出している。

テニス界に波紋を広げるシナーのドーピング問題

昨年3月に端を発するドーピング問題で、今年4月に出場停止期間の審理が行なわれる予定だった男子テニス世界ランク1位のヤニック・シナー(イタリア)。この件が現地時間2月15日に急展開を迎え、世界アンチドーピング機構(WADA)との示談によりシナーには3カ月間(2025年2月9日~5月4日)の出場停止処分が下されることが決まった。

シナーの処分について批判的な意見を述べるキリオスの投稿

この決定がテニス界に波紋を広げている。問題の発覚からシナーへの批判的な姿勢を見せていたニック・キリオス(オーストラリア)は自身の公式Xにて「WADAは1~2年の出場停止処分になると発表していた。タイトルも賞金も失うことなく、3カ月の出場停止処分にするためにシナーのチームは全力を尽くしたんだろう。有罪かどうか? テニス界にとって悲しい日だ。テニス界に公平さは存在しない」と投稿。

さらにインスタグラムのストーリー機能では、「未来のテニス選手へ」と題して「今日以降は“知らずに”やったドーピングは許される。陽性反応が出たなら調査を全て済ませて都合のいい期間で3カ月の処分を受けるだけだ。タイトルも賞金も失うことはない。7歳からこのスポーツをしている僕にとっては悲しい日だ。多くのケガと戦いながら、このスポーツに多大な貢献をしてきた。今後このスポーツをする子どもたちが正しい道を歩んでくれることを祈っている」とした。

一方で、「オープン13・プロバンス」(2月10日~16日/フランス・マルセイユ/室内ハードコート/ATP250)に出場していたダニール・メドベージェフ(ロシア/世界ランク8位)は、試合後の記者会見で「今後も選手たちがWADAと話し合えるようになるなら、WADAに『問題が見つかったから2年(の処分期間)だ』と言われても、選手は『いいや、1カ月だろう』と言えばいい。誰もが自らを守るチャンスが得られる前例ができたということだ」とコメント。

シナーへの処分が適切かどうかは別として、今回の裁定を前例に今後も故意でないドーピングを犯してしまった選手たちに軽い処分が適用されることを期待しているようだ。

これまで、ドーピング問題で非常に重い処分を受けてきた選手たちがいる以上、シナーへの軽い処分に批判が集まることは仕方のないことだろう。ただメドベージェフの言うように、これを前例として故意ではなく摘発された選手たちへの救いとなることを期待したい。

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