【高校野球】同志社国際のフォーク黒田レイモンド豪、米大学進学からメジャーリーグを目指す

同志社国際のフォーク黒田レイモンド豪選手が、米大学進学を経てメジャーリーグを目指す夢を語る。文武両道の彼の挑戦に注目。

プロ注目の同志社国際・フォーク黒田レイモンド豪

第107回全国高校野球選手権大会(8月5日から18日間・甲子園)の出場校を決める地方大会は、5日に大阪と京都、6日に滋賀、10日に和歌山、11日に奈良が開幕する。近畿の注目校、選手を随時紹介する「球児の万博」第3回は、同志社国際(京都)のフォーク黒田レイモンド豪内野手、瀬田工(滋賀)の岡本一徹(いってつ)投手、星林(和歌山)の則藤瑞起投手(いずれも3年)を取り上げる。

枠にとらわれない挑戦

プロ注目の同志社国際・フォーク黒田は、長打が武器のリードオフマン。投手としても最速140キロを誇る一方で、卒業後は米国の大学に進むことを希望している。文武両道の190センチ右腕は「夢は一応、メジャーリーガー。将来的には、日本に戻って野球界に貢献したい」と志す。

家庭環境と野球への情熱

父がアメリカ人で、家庭内の会話は英語。本格的に野球を始めたのは中学1年の秋だが、高校では1年春に背番号6をもらい、同秋から投手を兼任する。その傍ら、練習後は深夜まで机に向かう。「アメリカにいたら、周りが大きくて全く目立たない。そういう場所でチャレンジしたい」。続けて、「認知心理学(※1)を学びたい。複合的な分野で、日本の学部を選ぶという制度に合わなかった」と、自身の将来を明確に描く。

文武両道の成果

昨年12月、「日本野球学会(※2)第2回大会」の高校の部で、最優秀賞に輝いた。発表テーマは「アメリカの高校野球選手の『スカラーアスリート』に対する認識とキャリア展望に関する探索的研究」。夏休みに留学し、佐々木麟太郎が在籍する超名門・スタンフォード大での野球キャンプに参加した選手100人に「勉強と野球、どちらが大事か」を調査した。結果は、メジャーリーガーを目指す約90%が勉強を選択。口をそろえて「野球はいつか、絶対に終わる」と主張したという。

怪我からの復活

昨秋、練習中に打球が右目に当って緊急搬送。眼か底を骨折し、「後遺症が残れば、野球はできないと言われた。野球がなくなった時の進路を考えられていなかった」と危機感を抱いた。同時に、「野球ができる感謝の気持ちも強く芽生えた」。自分にとってどちらも譲れないものだと、身を持って知った。

甲子園への挑戦

春夏通じて甲子園出場歴がない同志社国際は、8日の初戦(2回戦)で春Vの京都共栄学園と対戦する。「憧れだけど、甲子園に出ないといけないとは思わないです。全員でやりきったと思えたら大丈夫」。文武両道を貫いた2年半。胸を張り、集大成の夏を迎える。(瀬川 楓花)

※1 人間の心、知覚、記憶、思考、言語、学習、意思決定、行動選択など認知の働きを解明する心理学の分野。 ※2 野球に関する科学的研究を促進するなどして、野球の知識、情報を普及させ、発展に寄与することを目的とした団体。研究発表のほか、講演やシンポジウムも行われる。

◆フォーク黒田レイモンド豪(ふぉーくくろだ・れいもんどごう)2007年11月30日、神戸市生まれ。17歳。同志社国際中1年から堺中央ボーイズで野球を始める。変化球はカーブとシンカー。50メートル走6秒3。遠投は110メートル。190センチ、81キロ。右投右打。

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