テニス界のドーピング問題:シナーの処分と批判の声
男子テニス世界ランキング 1 位のヤニック・シナーに対する 3 か月の出場停止処分に、テニス界から批判の声が上がっている。

ヤニック・シナーに 3 か月の出場停止処分
昨年 3 月に薬物検査で陽性反応を示した男子テニスで世界ランキング 1 位のヤニック・シナー(イタリア)について、世界反ドーピング機関(WADA)は 15 日、3 か月の出場停止処分を受け入れることで合意したと発表した。出場停止期間は 2 月 9 日から 5 月 4 日までとなっている。
陽性反応に関する主張と ITIA の支持
シナーは、マッサージを受けた際にトレーナーの指に禁止成分が付着しており、故意ではなかったと主張している。不正監視機関の ITIA もシナーの主張を支持し、ツアー出場を継続していた。しかし、一方で故意を否定しながらも出場停止となった選手もおり、不満の声が上がっていた。
批判の声と今後の見通し
一転、3 か月の出場停止処分を受け入れたとあって、さらに批判の声が高まっている。シナーは 1 月の 4 大大会全豪オープンを制しており、オーストラリアメディア「ニュース・ドットコム」によると、同国内で不満が噴出している。同国スポーツコメンテーターのジェラード・ワットリー氏は「ヤニック・シナーは(全豪オープンの)メルボルン・パークでプレーするべきではなかった。このタイトルは、オーストラリアのスポーツ界に対する背信行為であり、メジャースポーツに関してますます不安定な記録を持つアンチ・ドーピングに対する汚点だ」と主張している。また、オーストラリアのベテランスポーツジャーナリスト、ジェイミー・パンダラム氏も「2025 年の全豪オープンでのヤニック・シナーの優勝にはアスタリスクがついていますが、それは永遠に続くだろう。なぜなら、人々は彼がチートとしてエントリーしたと信じるから」と訴えている。さらに、同国メディア「Cord Sports」のトッド・バリム氏は「シナーの 2025 年全豪オープンのタイトルは取り消されるべきだ。これは、クリーンなスポーツの完全性に対する汚点であり、一部のルールと他のスポーツのルールがあることを永遠に思い出させてくれます」と記している。シナーの復帰後も物議を醸しそうだ。