【サウジC】フォーエバーヤング、世界征服へ照準
今年も中東の地で世界最高賞金レースが繰り広げられる。日本のエース格、フォーエバーヤングが照準を定める。

【サウジC】フォーエバーヤング、世界征服へ照準
今年も中東の地で世界最高賞金レースが繰り広げられる。1 着賞金は 1000 万ドル(日本円で約 15 億 7000 万円)。日本のエース格は、昨年同じ地で行われた G3 サウジダービー覇者の 4 歳馬フォーエバーヤング。矢作師は 23 年パンサラッサに続く 2 度目の V を目指す。日本勢は他にも同世代の東京ダービー覇者ラムジェットに加え、高木厩舎のウィルソンテソーロ、ウシュバテソーロの精鋭 2 騎もスタンバイ。強力 4 頭がビッグタイトル奪取を狙う。
2 年前、パンサラッサで世界の強豪を完封してみせた“世界の YAHAGI”が送り出すのは、4 歳牡馬のフォーエバーヤング。国内では 5 戦無敗を誇り、ケンタッキーダービー、BC クラシックで 3 着に健闘。日の丸を背負って砂上の最前線で戦い続けた国内最強ダートホースが、世界最高賞金レース獲りを狙う。
前走の東京大賞典では日本の古馬と初対戦だったが、ものともせず快勝。史上 4 頭目の 3 歳馬 V を果たしてみせた。主戦の坂井は「日本で負けられないと思っていましたし、とりあえずホッとしました」と、期待通りの走りに安どした。そして、「3 歳で東京大賞典を勝つことは普通に考えればハードルの高いことですが、この馬にとっては全然そうでないことです」と、世界王者を目指す人馬にとっては造作もないことだったという。
その後は在厩で順調に調教を消化。国内最終追い切りとなった 12 日は、栗東坂路でサウジダービーに出走するミストレス(3 歳オープン)と併せ馬を行い、馬なりで軽やかに半馬身先着を決めた。矢作師が「在厩調整ができたのは大きいね。ピークアウトしないようにと思うくらい、ピークです」と話せば、またがった坂井は「何も問題なく終えられました」とうなずき、荒木助手も「状態を上げられている。気持ちも体もしっかり仕上げられました」と好ジャッジ。“世界征服”に向け、コンディション面に一切の不安がない。
明け 4 歳。晩成だった父リアルスティール同様に、年齢を重ねてみるみるパワーアップしている。荒木助手は「背はもともとありましたが、骨格的にそれに見合う筋力がついてきました。ボリュームアップしていますね」と、確かな成長を感じ取っている。父が初めて G1 タイトルを手にしたのが 4 歳時。今年はさらなる活躍を予感させる。
勝てば 1 着賞金 1000 万ドル(約 15 億 7000 万円)をゲット。円安の影響で、円換算では 2 年前の賞金を 2 億円以上上回るものだ。充実感漂う今、もはや勝っても驚きはない。中東の地でもう一度、日の丸をはためかせてみせる。