河内洋調教師、定年引退間近で見せた印象的な笑顔と重賞勝利

来月に定年引退する河内洋調教師が、7 年ぶりの重賞勝ちで印象的な笑顔を見せた。引退後は応援に行くと語った。

河内洋調教師、定年引退間近で見せた印象的な笑顔と重賞勝利

今まで取材をしてきた中で何度かうれしい瞬間に立ち会って、いろいろな笑顔を見た。つい最近も晴れ晴れとしたというのか、気分爽快というか。いずれにしてもその印象的な笑顔の主は 3 月 4 日に定年引退を迎える河内洋調教師(69)=栗東=だ。

9 日の東京新聞杯で管理するウォーターリヒトが後方から力強く伸びて快勝。2018 年に平安 S をサンライズソアで制して以来の JRA 重賞制覇を成し遂げた。師は「強かった。前走のレースで自信を持っていたよね。GⅢだったけど、GⅠのような声援で気持ち良かったね。これ以上の勝ちはないよ」と声を弾ませた。

引退が近づく中での重賞。レース前に河内師は「将来があるんだから、けがをしたらかわいそうだし、無事に戻ってきてくれればいいよ。欲を言えばキリがないからね」と冷静に構えていたが「最後に勝って締めくくってくれたら一番だけどね」と本音がポロリ。それだけに喜びもひとしおだったのだろう。

ウォーターリヒトは管理馬としての最終戦を終え、これでひと息入れる。引退後は活躍をスタンドから見守るとのこと。河内師は「これで(転厩先に)バトンタッチだね。今度は応援しに行きます。馬券でも買ってね」と冒頭の晴れ晴れとは違い、最後はニヤリ。どちらも心に深く残る笑顔だった。引退まで走り続ける姿を目に焼き付けたい。

(東佑介)

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