【東京新聞杯】ウォーターリヒトが豪快差し切り!河内調教師に感謝の重賞V
GⅢ東京新聞杯で、ウォーターリヒトが豪快に差し切って重賞初制覇。勝ち時計は1分32秒6(良)。この勝利は、定年間近の河内洋調教師にとって大きなプレゼントとなった。

【東京新聞杯】ウォーターリヒトが豪快差し切り!河内調教師に感謝の重賞V
9 日、東京競馬場で行われたGⅢ東京新聞杯は、3 番人気のウォーターリヒト(牡 4・河内)が大外から豪快に差し切って重賞初制覇を決めた。勝ち時計 1 分 32 秒 6(良)。3 月 4 日に定年を迎える河内洋調教師(69)に 7 個目の JRA 重賞をプレゼントしたウォーターリヒト。メモリアルな重賞Vは得意の東京マイル=GⅠ安田記念に向けて弾みをつける大きな勝利ともなった。
菅原明良「また乗りたかった馬」
しんがり人気のメイショウチタンが内枠を利してハナを切り、前後半 4 ハロン 46 秒 1―46 秒 5 のイーブンペース。いつものように後方から運んだウォーターリヒトは菅原明がギリギリまで追い出しを我慢して大外に出すと、上がり最速タイ 33 秒 2 の脚で一気に馬群をのみ込んだ。
「前回(24 年 NHK マイルC8着)の感触がすごく良くて、また乗りたいと思っていました。ひと回り大きくなってトモが良くなり、パワーアップしていましたね。自信を持って乗ることができました。定年を迎えられる(河内洋)先生にいい結果を残せることができてよかったです。感謝の気持ちでいっぱいです」。素質を評価した実力馬との再コンビでの勝利、定年間際のトレーナーへの恩返し…。レース後にガッツポーズを見せた菅原明の胸にはさまざまな思いがあった。
次走はスタンドから応援
1974 年の騎手デビューから 05 年の調教師転身を経て、およそ半世紀を栗東トレセンで過ごしてきた河内師は 7 年ぶりの重賞制覇(通算 7 勝目)。「NHK マイルCは 8 着やったけど、菅原明騎手は『この馬は走りますよ』と言ってくれた。それを思い出して依頼したんやけど、勝ってくれてうれしいなあ。強い馬とやってきて中身がしっかりしたんやろうな。まだまだ先がある馬やから、ひと息入れてGⅠかな。その頃には(自身は)引退しているね。スタンドから応援させてもらうわ」。きさらぎ賞で 10 着に終わったウォーターガーベラ(リヒトの半妹)のGⅡチューリップ賞(3 月 2 日=阪神芝外 1600 メートル)への出否次第ではあるが、これが最後の重賞となる可能性も。それだけに喜びはひとしおだ。
4 戦 3 勝と最も得意とする東京マイルで行われる安田記念(6 月 8 日)は最大のターゲットであり、コース適性に充実度も加味すれば決してノーチャンスではあるまい。そんな分析はさておき…最後に先々が楽しみな一頭を育て上げ、スタンドからの声援に「うれしいな。勝たなファンの皆さんの前に出られんからな」と満面の笑みを浮かべた河内師。ジョッキー時代から知るオールドファンにとっても感慨深い特別なレースとなった。