大谷翔平の元通訳・水原一平被告に禁錮4年9月の判決、詐欺事件の真相とその波紋
大谷翔平の元通訳・水原一平被告が銀行詐欺罪で禁錮4年9月の判決を受け、事件の詳細と裁判の模様を振り返る。

事件の概要
2025年2月6日、米カリフォルニア州サンタアナの連邦地裁は、ドジャースの大谷翔平投手の銀行口座から約1659万ドルを盗み、賭博の胴元側に不正送金したとする銀行詐欺罪などに問われた元通訳・水原一平被告に対し、禁錮4年9月の判決を言い渡した。また、大谷への1697万ドルの賠償も命じられた。水原被告は3月24日までに出廷し、収監される予定だ。
裁判の模様
カリフォルニア州中部連邦地方裁判所10階A法廷の傍聴席は、日米の記者で満員だった。水原被告の体形はそれほど変わったようには見えなかったが、前髪と耳が半分隠れるような髪形は、自分で切ったのかと思わせるようなアンバランスさ。能面のようなのっぺりした表情でぼんやりと前を見ている姿は、有罪を認めた昨年6月と同じだった。
水原被告は「I am truly sorry for Mr. Ohtani…」と読み上げたが、その言葉には感情が込められていないように感じられた。一方、フリードマン弁護士は判事の度重なる質問にタジタジになり、完全降伏の様相だった。特に、「ギャンブルで勝って大谷さんに返金したかった」と言いながら、勝った時には自身の銀行口座に入金していたことなどを指摘され、水原被告の二面性が強調された。
判事の見解
ホルコム判事は、「(情状酌量を求める)手紙は誤った説明と重要な事実のはしょりで埋め尽くされていて、弁護士の言うことは裏付けられない」と断じた。また、検察調べで22年の水原被告の収入は8万5000ドルあったが、家賃も車も大谷が支払っていたのに生活苦になったというのは無理があると指摘した。
事件の波紋
この事件は、人々が熱狂し、明るくするベースボールというスポーツの裏で起きた、気持ちが重くなる事件だった。水原被告は大谷に長年献身的に尽くしてきたが、その思いと行動の矛盾が浮き彫りになった。監獄で彼はどんなことを考えるのだろうか。これからどんな人生が待っているのだろうか。事件の真相とその波紋は、まだ分からないままだ。