【陸上】泉谷駿介が逆境を乗り越え、男子110mHで2年ぶりの日本選手権優勝!世界選手権代表内定
泉谷駿介が男子110mハードルで2年ぶりに日本選手権優勝を果たし、世界選手権代表に内定。野本周成も2位で初の世界選手権代表に。

泉谷駿介が2年ぶりの優勝を飾る
第109回日本選手権(7月4日~6日/東京・国立競技場)の男子110mハードルで、泉谷駿介(住友電工)が13秒22(+0.8)で2年ぶり4回目の優勝を飾った。泉谷はすでに13秒27の参加標準記録を突破しており、世界選手権代表に即時内定。同じく参加標準突破済みだった野本周成(愛媛競技力本部)も13秒23で2位に入り、初の世界選手権代表に内定した。
レースの展開
好スタートを切ったのは野本。「浮かないように1台目をクリアすることが安定している」と自身も手ごたえを見せている通り、1台目からリードを奪っていく。一方の泉谷は4、5番手あたりで追いかける展開となった。
「このまま最後まで誰も見ないままゴールしようと思った」と野本。だが、百戦錬磨の泉谷がそれを許さず。中盤以降に追い上げ、10台目で野本に並ぶと、最後に0.01秒差し切った。
泉谷の逆境を乗り越えた勝利
前日の予選、準決勝で13秒19のトップタイムをマークした泉谷。だが、「久しぶりだった」という1日2本のレースの影響で、「決勝のアップ時にふくらはぎに痛みが出た」という出場も危ぶまれる事態に見舞われる。だが、「棄権する選択肢はなかった」。その一方で、「脚の状態を見ながら1台ずつ上げていく感覚」で慎重にレースを展開。終盤勝負に徹し、逆境を乗り切った。
野本周成の悔しさ
一方、あと一歩で初優勝を逃した野本は、「最後に差されてしまったのは、まだまだ力不足。勝てなかったことは悔しいですね」と素直な気持ちを明かす。
早大4年時の17年に13秒62をマークし、その後も着々と記録を更新。昨年はパリ五輪の参加標準記録突破しながらも、日本選手権で5位に終わり代表を逃した。それだけに初代表の悲願には、「うれしいというよりはホッとしています」。昨年から愛媛競技力本部に所属し、「環境を変えながら、ここまでやってこれた。まだ足りない部分は多いので、次の目標をしっかり見つけて練習していきたい」と意気込む。
世界選手権への期待
現在、トラック種目で“最もメダルに近い種目”と言われる男子110mハードルは、昨年のパリ五輪5位で、参加標準記録を突破して内定している村竹ラシッド(JAL)とあわせて、代表3選手がでそろった。
3年連続の世界大会入賞、そして悲願のメダル獲得へ。最強布陣で、世界の強豪を国立で迎え撃つ。