長嶋茂雄氏追悼:谷沢健一氏が語る巨人のレジェンドとの絆と野球人生
長嶋茂雄氏の訃報を受け、元中日の谷沢健一氏が巨人のレジェンドとの思い出を語り、その絆と野球人生を振り返る。

長嶋茂雄氏との出会い
谷沢健一氏は、長嶋茂雄氏との初対面を鮮明に覚えている。中日にドラフト指名された年の12月、下北沢の長嶋氏の自宅を訪ねた際、色紙に「1本のバットにすべてを託し努力に努力を重ねた谷沢君、君の背番号14番に、音のしない大きな大きな拍手を送る」と書いてもらった。この言葉は、谷沢氏にとって生涯の励みとなった。
プロ初出場の思い出
プロ初出場は後楽園の巨人戦だった。初打席では膝の震えが止まらず、ピッチャーの高橋一三氏に2ストライクに追い込まれた。しかし、長嶋氏の姿を見た瞬間、緊張が解け、センター前に打ち返すことができた。この瞬間は、谷沢氏の野球人生における重要な転機となった。
長嶋氏の影響
長嶋氏は、相手チームの選手にも声をかけ、試合を盛り上げる存在だった。谷沢氏が苦手とする堀内氏から4安打を放った日、5本目のヒットを打って三塁に滑り込んだ際、長嶋氏から「谷沢君、お見事~」と賛辞を受けた。この言葉は、谷沢氏にとって忘れられない思い出となっている。
長嶋氏の引退とその後の絆
長嶋氏の現役引退試合の日、谷沢氏は名古屋で優勝パレードに参加していたため、後楽園に行けずに複雑な思いを抱いた。その後、長嶋氏の体調が悪化し、直接会う機会はなくなったが、その絆は変わらずに続いた。
東京六大学野球との関わり
東京六大学野球の先輩として、長嶋氏は谷沢氏にとって特別な存在だった。100周年の年に長嶋氏が天国に旅立ったことは、谷沢氏にとって大きな寂しさをもたらした。しかし、その遺志は、谷沢氏の野球人生に深く刻まれている。