ジョコビッチ、現状を冷静に分析「本当に苦しい状態」<SMASH>
ノバク・ジョコビッチが BNP パリバ・オープンで 2 大会連続初戦敗退。37 歳のジョコビッチは、今大会でも精彩を欠き、苦戦が続いている現状を冷静に分析している。

ノバク・ジョコビッチ、BNP パリバ・オープンで 2 大会連続初戦敗退
男子テニスツアーのマスターズ 1000 シリーズ「BNP パリバ・オープン」(3月 5 日~16 日/アメリカ・インディアンウェルズ/ハードコート)は現地 8 日に大会 4 日目を迎え、シングルス 2 回戦に元世界ランキング 1 位で第 6 シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア/現 7 位)が登場。ラッキールーザー(予選敗者が本戦に繰り上がる救済措置)のボティック・ファンデザンツフープ(オランダ/同 85 位)と対戦したが、2-6、6-3、1-6 で敗れ、3 回戦進出を逃した。
37 歳のジョコビッチは男女を通じて史上最多となる四大大会 25 度目の優勝が懸かっていた今年 1 月の「全豪オープン」でベスト4へ進出するも、アレクサンダー・ズベレフ(ドイツ/同 2 位)との準決勝を左太ももの肉離れにより途中棄権。2 月に出場した「カタール・エクソンモービル・オープン」(ATP500)は初戦敗退に終わっていた。
今大会はシード勢が 1 回戦免除のため、ファンデザンツフープとの 2 回戦が初戦となったジョコビッチ。第 2 ゲームから 5 ゲームを連取されて第 1 セットを落とすも、第 2 セットで息を吹き返し、2 度のブレークを奪ってセットオールに持ち込んだ。しかしファイナルセットでは 2 度のサービスダウンを喫し、2 時間 1 分で力尽きた。
これで 2 大会連続の初戦敗退。ツアーで 3 連敗(棄権した全豪も含む)を喫したのは、右ヒジのケガからの復帰直後だった 2018 年シーズン以来実に 7 年ぶりのことである。試合を通して 37 本のアンフォーストエラーを叩くなど精彩を欠いたジョコビッチは、敗戦後の記者会見で勝者を素直に称えつつ、自身の不甲斐ないプレーをこう嘆いた。
「良くない 1 日だった。第 3 セットの最初の 3~4 ゲームは接戦で、チャンスもあった。でも、あまりにひどいミスをしてしまった。第 3 セット序盤のほとんどのポイントでは、主導権を握っていたと思う。試合を振り返れば、もう少し何ができたのか見えてくると思うが、彼(ファンデザンツフープ)は僕のサービスをブレークした時、素晴らしいポイントをいくつも決めていた。ただ、そもそも自分をあんな厳しい状況に追い込むべきではなかった」
それでも今年 5 月に 38 歳を迎えるレジェンドは苦戦が続く自身の現状を冷静に見つめている。とにかく今はできる限りのことをやるしかないとし、こう締めくくった。
「この数年間、明らかに(テニス界の)状況は変わっていて、望んでいるレベルでプレーするのに苦労している。時折良いプレーができるトーナメントもあるが、全体としては本当に苦しい状態だ。ただこうした状況に事前に備えることはできない。その瞬間を実際に経験して、最善の方法で対処するしかない」
この後ジョコビッチは 19 日に開幕するマスターズ 1000 大会「マイアミ・オープン」(アメリカ・マイアミ/ハード/ATP1000)に出場予定。いくらジョコビッチといえども年齢の壁を打ち破ることは容易ではないのだろうが、次戦以降の巻き返しを期待したい。