【25 年 J2「第 3 節」熊本 VSRB 大宮「徹底分析」】4-0 圧勝の大宮、長澤監督が表現する「第 3 の立ち位置」
J2 リーグで首位に立つ RB 大宮が、熊本を 4-0 で下した。長澤監督が表現する「第 3 の立ち位置」とは?

積み上げが結果に表れる RB 大宮
ここまで 3 節を終えた J2 リーグで、J3 から復帰した RB 大宮アルディージャが首位に立っている。開幕節で昨シーズン 4 位のモンテディオ山形に 2 対 1 で競り勝ち、第 2 節はヴァンフォーレ甲府をウノゼロで退けた。そして 3 月 2 日開催の第 3 節では、ロアッソ熊本を 4 対 0 で下している。
新加入の右 CB ガブリエウが勝利に直結する働き
昨シーズンから指揮を執る長澤徹監督のもとで、積み上げてきたものが結果に表われている。一人ひとりがしっかりとタスクを果たしているなかで、新加入の右 CB ガブリエウが勝利に直結する働きを見せている。熊本に押し込まれる時間帯もあった前半、ガブリエウは相手のクロスを何度もヘディングで跳ね返した。38 分には相手左ウイングとの 1 対 1 で、力強くボールを奪い取った。ここまで 3 試合で 1 失点の守備力を、横浜 FC から加入したこのブラジル人が支えている。
攻撃面での貢献度も高い
攻撃面での貢献度も高い。開幕節から「スバッ」と音がするような縦パスを差し込んでいるが、この日はそのパスが得点につながった。57 分、DF ラインの間をとった FW 藤井一志へ、自陣から鮮やかな縦パスを通した。この場面を含めて 2 得点を記録した藤井は、3 戦連発の 4 ゴールと絶好調だ。開幕節で負傷交代した FW ファビアン・ゴンザレスに代わってスタメンで起用され、しっかりと結果を残している。
途中出場の選手が得点に絡んだり、試合をクローズさせたり
熊本戦では途中出場のカプリーニが、ダメ押しの 4 点目をゲットした。そのゴールをアシストしたのも、途中出場の DF 関口凱心である。長澤徹監督は「レギュラー 11 人という考えかたはしていない。(メンバーに)登録された選手が自分のなかでのレギュラーと、選手には伝えています」と話す。途中出場の選手が得点に絡んだり、試合をクローズさせたりするのは、昨シーズンからチームの強みとなっている。
ボール保持率で劣ってもシュート数は圧倒
長澤監督は RB 大宮のサッカーを、「第 3 の立ち位置」と表現する。「ボールを持ってポゼッションしまくるわけでなく、ドン引きしてカウンターを狙うわけでもない。我々は RB なので、ボールを奪いにいって必要なら早く攻めるし、必要ならしっかりボールを握る」熊本戦のボール支配率は、40 パーセントを切った。60 パーセント以上は相手に握られたわけだが、シュート数では 14 対 3 と圧倒している。ポゼッションに拘泥しない「第 3 の立ち位置」を体現するデータだ。4 つの得点シーン以外にも決定機を作り出し、熊本にはほぼチャンスを与えていない。
RB 大宮の開幕 3 連勝には確固とした根拠がある
レッドブルグループの中核を成す RB ライプツィヒは、高強度で縦に速いサッカーを特徴とする。現代サッカーのトレンドに即したもので、長澤監督も「相手が揃う前に得点を狙いにいくのは絶対条件」で、「ボールを奪って 5 秒後には相手ゴール前で数的優位を作れるかどうか」を、昨シーズンの就任当初から選手たちに問いかけてきた。「色々な考えかたがありますけれど、まずは最短距離で狙う」としている。それもまた、「第 3 の立ち位置」としてのスタンスだ。レッドブルのグローバルネットワーク入りしたことで注目を集めているが、RB 大宮の開幕 3 連勝には確固とした根拠がある。そして、積み上げてきたものを戦いの土台とするチームは、勝つことで自信を深めている。