高校野球で 7 回制導入へ!秋季大会と日程重なる高校の健康面配慮も
日本高野連は、今年 9 月に滋賀で開催される国民スポーツ大会での 7 回制導入を承認。天候不良時の全日程消化と高校の健康面配慮が目的。

高校野球で 7 回制導入へ!秋季大会と日程重なる高校の健康面配慮も
日本高校野球連盟は 2025 年 2 月 21 日、大阪市内で理事会を開き、今年 9 月に滋賀で開催される国民スポーツ大会での 7 回制導入を承認した。天候不良が重なった場合でも全日程を消化する可能性を高め、秋季大会と日程が重なっている高校の健康面にも配慮することが狙いだ。
同連盟の井本亘事務局長は、「7 回制に関して各都道府県連盟の関係者らに意見を求める中で、経験をしたことがない中でイメージがわかないという声が複数あった。実際にどこかで取り組む方法がないかと模索し、考えていた。また、天候不良が重なる場合に試合を全て行えず、優勝校を決定できない場合も想定される。秋の大会も同時進行している中で、出場校がいいコンディションでやることは我々主催者側が考えないといけない。今回取り組んでみようという結論に至りました」と述べている。
今後の 7 回制導入の議論の参考にもするのかという質問に対して、井本事務局長は「今年の 12 月に(7 回制導入可否の)対応策を出すと決めて議論を進めている。その議論の途中に行われる大会なので、出場校や運営に関われた方に何らかの形でご意見を伺い、検討会議の議論の一つの参考資料にさせていただくことになると思います」と回答している。
試合時間削減などの効果も検証できるという質問に対して、井本事務局長は「実際にやることでよりリアルに分かると思っています。ワーキンググループでは、7 回制にすれば 30 分ぐらい試合時間が短くなると出ているが、それはあくまで数字上の話。本当に 30 分縮まるかどうかは、実際にやってみないと分からない。そういうこともデータとして残るので参考にさせてもらいます」と回答している。
試合時間以外に検証したいことはあるかという質問に対して、井本事務局長は「投手の球数も変わってくると思う。複数投手制が進む中で球数は数字として分かりやすく見えるのではないかと思う」と回答している。
9 月開催だと暑さ対策への効果は検証が難しいという質問に対して、井本事務局長は「暑いから 7 回制を導入するというようにみられているが、暑さは直面している大きな課題の一つであるが、あくまで選手の健康面や先生方の働き方改革、高校野球を取り巻く社会の環境の変化が議論の中心。その中の一つの大きな問題ではありますけど、暑さ対策だけに着眼しているわけではない」と回答している。
秋季大会と重なる選手の健康面も考慮するということだが、秋の大会に出場しない 3 年生にも影響が出るという質問に対して、井本事務局長は「タイトな日程の大会に出場する以上、3 年生の健康面を考えないといけない。部員の健康という意味では、1、2 年生も 3 年生も一緒。きちんと我々も考えた上での運営が必要になる」と回答している。