元 J リーガー渡辺一平、農業で心の肥やし
元 J リーガーの渡辺一平氏が農業に取り組み、心の肥やしを得ている。

元 J リーガー渡辺一平、農業で心の肥やし
元 J リーガーの渡辺一平氏(55 歳)が、神奈川県内で米や野菜、お茶作りに取り組んでいる。渡辺氏は、横浜フリューゲルスなどで DF として活躍した後、解説やスクール指導でサッカーに関わりながら、農業にも力を入れている。
渡辺氏は、農業への興味を持つようになったのは、コロナ禍がきっかけだった。2020 年に新型コロナ感染症が拡大し、欧州の主要リーグの試合が打ち切りになり、解説の仕事が減少したため、今後の人生を考えるようになったという。
同じ頃、料理人だった義弟が食材へのこだわりから、「自分で野菜などを無農薬で作ろう」と考え、全国を回った末に神奈川県秦野市で耕作放棄地を借りて、米や野菜作りを始めた。渡辺氏は義兄も近くに引っ越して、時間があるときにみんなで手伝うことになった。
田のあぜを作り、スズメよけの網を張り、竹を切り出す――。収穫した稲を干すウマも作った。米や野菜の収穫以上に、木を切り出したり、田や畑を整備することに引かれた。もちろん収穫した米や野菜は新鮮で味も格別。「最初は生活のリズムや環境を変えようと思っただけだったが、気がついたら面白くて」。無になって木を切ったり土を耕すことで、探していたものが見つかった。
渡辺氏は、今後は重機の免許取得やドローン操縦講習を受けることも視野に入れるという。また、昨夏には、雅代夫人が、町の職員からお茶園を経営している石井久和さんを紹介された。石井さんは「いしい茶園」の 7 代目で、サッカークラブ「鎌倉インターナショナル」の運営にも携わっている。2 人はすぐに意気投合。渡辺氏は義弟の農業に加え、お茶栽培も手伝うことになった。お茶は作業時は人手がいるが、期間は短い。渡辺氏は茶摘みはまだ経験がなく、今年 5 月 1 日の八十八夜、新茶の摘み取りを心待ちにしている。
渡辺氏は、農業は「リフレッシュのため」で、収穫した米や野菜をもらうだけで、全てボランティアだと語っている。渡辺氏の農業への取り組みは、サッカー選手のセカンドキャリアとして可能性を秘めている。支援があれば、夢は広がる。J リーガーと農業のコラボは今後、注目されるかもしれない。