日本ハム、新庄監督率いる優勝への挑戦
日本ハムの新庄監督が就任 4 年目で初の日本一奪取に挑む。球団 OB で野球評論家の柏原純一氏が視察し、チームの進化と今後を占った。

日本ハム、新庄監督率いる優勝への挑戦
日本ハム・新庄剛志監督(53)が指揮官就任 4 年目で初の日本一奪取に挑む。沖縄・名護で春季キャンプを行う中、球団 OB でもある野球評論家・柏原純一氏が視察。進化を続けるチームの今後を占った。
【柏原純一「烈眼」】昨季 2 位で就任初の CS 進出を果たし、今季は念願のリーグ優勝を目指す新庄監督率いる日本ハム。キャンプでは実力が拮抗するパ・リーグで A クラス入りするだけの選手たちの成長ぶりと、近年にはなかった選手層の厚みも感じた。
特に顕著に感じたのが、攻撃陣の充実ぶり。15 日の紅白戦前のフリー打撃を見ながら「今季はどんな打線になるだろう」とラインアップを思案してみると、ライバル球団よりも層の厚みを感じたのが「右打者」だ。
マルティネス、レイエスの助っ人コンビに、万波、松本剛、郡司、水谷…。昨季から上位や中軸を任された面々に加え、復活を期す 7 年目・野村は今季、すでに新庄監督から「開幕 4 番」の指名を受けている。
この面々に左打者では昨季、頭角を現した田宮、規定不足ながら初の打率 3 割を打った和製大砲・清宮や、打者として覚醒の気配が漂う二刀流の矢沢が絡む。石井、水野、上川畑が中心となるであろう二遊間は全員が左打ち。打線を組むに当たって、1 番から左右が偏ることなくバランスよく並べることができる。さらに一人が不振や故障などで欠いたとしても、カバーできる人材に困らない。これは近年の日本ハムにはなかったことだ。
昨季は防御率 2 点台でリーグ 3 位の投手陣を軸に、先発と中継ぎ陣も粘り強く投げ、数少ない好機を打線がモノにする競り強さがあった。だが、今年はペナント終盤やポストシーズンの CS を経験した面々が、さらに技術を高め「打ち合い」で打線で試合を制する機会も増えるのではないかと感じる。
就任当初から新庄監督ら指導者が万波や清宮らを辛抱強く起用し続け、実力を開花させた現場の汗。それに加え、トレードや現役ドラフトで獲得した郡司や水谷など、的確な補強で現場を後方支援したフロントの努力が、いよいよ実を結ぶ時がきたのではないかと感じる。OB のひいき目を抜きにしても、今年は「優勝」を狙えるチームだ。
(野球評論家) 柏原 純一