B リーグと女子バスケットボールの盛り上がり 町田瑠唯が語る男子バスケの今後
B リーグで活躍する町田瑠唯が、男子バスケの盛り上がりについて語ります。

B リーグと女子バスケットボールの盛り上がり 町田瑠唯が語る男子バスケの今後
女子バスケットボール W リーグで現在 20 勝 2 敗と首位を独走し、プレーオフ進出を決めている富士通レッドウェーブ。昨年は 16 年ぶりのリーグ優勝を果たし、今季もすでに皇后杯を制すなど、圧倒的な存在感をみせている。そんなチームをアグレッシブなプレーで牽引するのが司令塔で、昨夏のパリ五輪に女子日本代表として出場した町田瑠唯だ。162cm と小柄ながら日本でもトップクラスの活躍を見せる町田の目指す先とは?
バスケの名門・札幌山の手高校時代。町田瑠唯はインターハイ、国体、ウインターカップで 3 冠を達成している。だが、当初父からは同校への進学を反対されていた。入学時の身長は 156cm と、160cm にも満たなかった。当時、同校は「160cm 以下の選手を過去にとったことがない」という情報も耳に入っていた。たとえ入学できたとしても試合に出られる保証はない。父はそれを心配していたのだ。
「3 年間試合に出られない可能性もあるけど、『それでも行くのか?』と父に言われました。でも、私はとにかくチャレンジしたいという気持ちが強くて。もちろん中学時代には届かなかった全国優勝も果たしたかったですし、上島(正光・監督)さんから指導も受けたかった。『絶対に試合に出るから』と押し切って、最後は父も送り出してくれました」
高校時代はチームの指揮を執る上島から得た学びも大きかった。ポイントガードとしてはもちろん、いちバスケットボール選手として大切なものを学んだ。そんな札幌山の手高校で過ごした 3 年間は、紛れもなく町田の原点でもあり財産になっている。
「自分で考え、自分で学ぶことの大切さはもちろん、本当に多くのことを学びました。なかでも、私の根底にある“楽しむ”ことは、上島さんがよく言っていたことなんです。勝つことを意識するのは大事だけど、見ている人を楽しませるためにはまずは自分たちが楽しまなければいけない、と。その言葉を考えながら今もプレーしていますし、何かあったときにはその言葉で原点にすっと戻ることができますね」
W リーグでは毎シーズンのようにアシスト 1 位を記録し、その実力は誰もが認める。正確かつ速いパスで味方の得点チャンスを大きく広げ、シューターらは町田のパスを絶賛。誰がどう動いてどこでボールをもらい、どのようにシュートを決めるのか。町田が戦術を理解し、正確に遂行しているからこそなせる業だ。
「自分はすごい選手じゃないので」と決して目立ちたいタイプではない。縁の下の力持ち的な存在でいられればというスタンスでこれまでバスケを続けてきた。自分の得点よりも、まずは味方を生かす意識が強いパスファースト。近頃は「自分が周りを生かす」よりも、「周りに生かされている」と感じることとが多い。
「自分中心にはあまり考えられないタイプで、常にチームのことを先に考えています。チームが良くなるためには自分がどんなプレーをすればいいのか。どういう選択をするのがよいのか。その中で私自身はみんなの持ち味を引き出したいし、生かしたいと考えています。でも、結果的に生かされているのは私の方だなと思うんです」