【カーリング日本選手権】女子ロコ・ソラーレ、初戦黒星からの巻き返しで逆転勝ち
カーリング日本選手権で女子ロコ・ソラーレが初戦黒星からの逆転勝ちを収めた。

初の首都圏開催となったカーリング日本選手権 女子ロコ・ソラーレが初戦黒星の学びから取り入れた策と、際立った勝負強さ
今大会、記者が注目したのは、3 位以内に入らなければ五輪への道が断たれる女子ロコ・ソラーレ。18 年平昌は銅、22 年北京は銀メダルと、2 大会連続でメダル獲得のチームが五輪の夢を逃す可能性がある。崖っぷちに立たされた中での戦いぶりを注視していた。
スタートダッシュを決めたいところに、早くも試練は訪れた。2 日の 1 次リーグ初戦。若手成長株がそろう北海道銀行に 5-7 で黒星発進。不運にも氷を滑るストーン(石)にごみが絡む、「かむ」というアクシデントが何度もあった。
今大会はカーリング専用施設ではなく、アリーナ型施設での開催。氷の対応は、より難しいものが求められた。スキップ・藤沢五月は「ごみでピックしてしまった部分が何回もあった。アイスアリーナの気を付けないといけない部分の 1 つ」と反省した。
3 大会連続となる五輪出場の夢をつなぐため、負けが許されない重圧がのしかかる。暗雲立ちこめる中、勝利を呼びこんだのは、不安を徹底的になくす心構えだった。
反省を生かし、チームはドラッグストアで粘着ローラーを購入。試合前とハーフタイムには〝コロコロタイム〟で体のごみを取り、アクシデントを未然に防ぐ策を講じた。今大会、フィフスとして帯同した松沢弥子は「やれることは全部やろうと思った」と語る。
4 日の 1 次リーグ 2 連勝で勢いに乗ったロコは、6 日の 2 次リーグのフォルティウス戦で、第 10 エンドに 2 点差をひっくり返し、鮮やかな逆転勝ちで 3 位以内を決めた。奇跡の大逆転劇に藤沢は、「追い込まれてからの後半の追い上げというのが私たちの強みの 1 つ」とうなずいた。
これまでも逆境から何度もはい上がってきた経験はあった。22 年北京五輪代表候補決定戦ではフォルティウスに 2 連敗から 3 連勝で逆転。同五輪 1 次リーグのデンマーク戦は、第 10 エンドに藤沢の最終投で 2 点差を逆転して勝利。後の銀メダル獲得につながった。