侍ジャパンの最終候補メンバーに選出された山本祐大が涙の日から 5 カ月ぶりに実戦で“チーム 1 号”を放つ
侍ジャパンの最終候補メンバーに選出された山本祐大捕手が、涙の日から 5 カ月ぶりに実戦で“チーム 1 号”本塁打を放った。

山本祐大が涙の日から 5 カ月ぶりに実戦で“チーム 1 号”本塁打を放つ
昨季ゴールデングラブ、ベストナインを受賞し、3 月の侍ジャパンの最終候補メンバーにも選出された DeNA 山本祐大捕手(26 歳)が、宜野湾キャンプ第 2 クール 3 日目の 8 日、今季チーム初実戦で躍動した。
山本の左翼への放物線が宜野湾の海から吹き上げる強風に乗った。3 回無死一塁、森唯の初球直球をコンパクトに振り抜いた。ライナー性でグングン伸びて左翼フェンスの上の防球ネットを直撃。第 1 打席は 1 度もスイングすることなく四球だったため、今季の実戦ファーストスイングで“チーム 1 号”となる豪快 2 ラン。
「多分誰も僕が打つと思ってなかったと思う。周りから風(のおかげ)だって言われましたけど、今日は(風の)手助けがあったので、次は誰もがホームランという打球でほめられたい」と決意を込めた。
復活を印象づける上で、これ以上ない結果だった。実戦出場は昨年 9 月 15 日広島戦(マツダスタジアム)以来、約 5 カ月ぶり。死球で右尺骨骨折を負い、ベンチ裏で涙した、あの試合。すでに制限なくプレーしているが、いまだに右腕には約 10 センチのプレートが埋め込まれたままになっている。
取り除くには手術が必要になるため、少なくとも今季終了後まではプレートとともにグラウンドに立つ予定。「だいぶ慣れましたし、それにも合わせていかないといけない。今の体に合わせるのが野球選手として大事。言い訳はしないです」と語気を強めた。
今キャンプ最低の気温 12 度と強風が吹きつける海沿いの宜野湾。長年、キャンプ地として訪れてきた 70 歳の田代野手コーチも「今までで一番寒い」と嘆く中、体感温度をぐっと押し下げた強風が山本の味方に付いた。体重も昨年の公称 87 キロより 7 キロ増の 94 キロにアップ。1 つのテーマに掲げる長打力アップをファーストスイングから体現した。「今年やるぞって気持ちで来ている。もう今日のことは忘れて謙虚に明日から取り組めれば」。日本屈指の捕手へ-。25 年の山本に追い風が吹いている。