平野美宇、新たな挑戦へ 卓球女子のトップ選手が試合数を減らし心技体を整える
卓球女子のトップ選手、平野美宇が試合数を減らし、心技体を整える新たな挑戦を始める。

卓球女子のトップ選手である平野美宇(25=木下グループ)が、新たな挑戦を始める。昨年のパリ五輪では団体戦で銀メダルを獲得し、アジア選手権団体戦では中国を下して金メダルに貢献するなど、休むことなく突っ走ってきた。しかし、心と体は限界に近づいていた。直近の世界選手権個人戦(カタール・ドーハ)では、シングルス2回戦で敗れた直後に過呼吸で倒れ、救急車内で検査を受ける事態に陥った。
26日の帰国時には「自分ではいけると思っていたけど、結構無理していたんだなと実感した」と苦しい心情を明かした。3歳から卓球一筋で歩んできた平野は「『次の五輪を目指したい』とか『この大会でこういう結果を残したい』という気持ちが今まですごく大きかったけど、それをちょっと少なくして、また違う新しい気持ちで卓球に取り組みたい」と吐露。今後は出場試合数を減らし、卓球以外の学びも増やしていく方針だという。
この決断には多くの関係者が賛同。ある卓球関係者は「平野選手はパリ五輪が終わってからもなかなか休めなかった。ずっと休まずに戦うのはやはりしんどいし、トップ選手でも1か月単位で休みは入れたりするので、ゆっくりするのはいいことだと思う」と指摘した。
ピックルボールなどの他競技や、旅行にも興味を示す平野は「こういうことを発言したら『何を言っているんだ』と言われると思っていたけど『ゆっくり満足いくまで休んだらいいよ』という声が多かった。恐れていた自分もいたので『みんな思っていたより優しくて、いい世界だな』と思った」とにっこり。気分転換を通じ、まずは心技体を整える。