安藤みなみの引退と卓球人生の有終の美:新たな夢に向かって
卓球女子元日本代表の安藤みなみが、2025年全日本選手権を最後に現役を引退。混合ダブルスで初優勝を飾り、卓球人生を華々しく締めくくった。

安藤みなみの現役引退
卓球女子元日本代表の安藤みなみ(28歳)は、2025年全日本選手権を最後に現役生活に別れを告げた。2021年のアジア選手権で日本女子を47年ぶりの団体優勝に導いた右シェーク・バック表ソフト型の異質攻撃選手。全日本では混合ダブルスで初優勝を飾り、卓球人生のラストを華々しく締めくくった。
引退の決意
「練習と試合が日常だったので、生活が一変してちょっと寂しさもある。でも、もうあのハードな日々には戻れないと思いました」。3月のTリーグ最終戦から1カ月が経ち、そう心境を語った。
引退の決意は約2年前に芽生えた。「負けが続いた時にメンタル的にきつくなった。練習も試合も、しんどいと思うことが増えていました」。Tリーグでは2023–24、2024–25シーズンともに14勝を挙げていたが、同時に13敗も記録。「代表レベルの選手に勝てていない実感があった。若い選手がどんどん台頭してきて、世代交代も感じていました」。
全日本での最後の輝き
1月の全日本では、シングルスでランク入り(ベスト16)し、混合ダブルスでは初優勝を果たした。「『勝てなくなってから辞めるのは嫌』という思いが昔からあった。『まだやれるかも』と思えるうちに辞めたいと思っていた」。そんな自身の美学を貫いた。
全日本の混合ダブルス決勝では、木造勇人とのペアで頂点に立った。「優勝するつもりで戦っていたけど、本当にできるとは思っていなかった。地元・愛知開催で、家族や友人も来てくれて心強かった」と笑顔を見せた。
新たな夢に向かって
現役時代の最高世界ランクは2019年5月の29位。大学時代からの努力が日本代表への道を開いたが、「今振り返ると、私はてっぺんを目指すタイプではなかった。他の代表選手ほど貪欲にはなれなかったと思う」と自己分析も冷静だ。
今後は東京を拠点に、個人レッスンなどを行いながら「いつか自分の卓球場を持ちたい」という新たな夢に向けて歩み出している。「私のスマッシュやバックハンドを教えてください、と言ってくださる方がいて嬉しいですね。少しずつ勉強しながら、次のステップへ進みたいです」。
安藤みなみのプロフィール
- 生年月日: 1997年2月12日
- 出身地: 愛知県
- 経歴: 5歳から卓伸クラブで卓球を始める。小学6年で全日本ホープス3位になり、青森山田中へ。青森山田高から慶誠高に転校し、専修大に進学。2017・18年と全日学で単複2冠に輝く。2019年全日本選手権ベスト8。2021年アジア選手権では、日本の47年ぶりの団体優勝に貢献。現役最後の2025年全日本では混合ダブルスで初優勝を遂げる。