F1モナコGP:アルボンとラッセルのスポーツマンシップが光るディナーエピソード
F1モナコGPで起こったアルボンとラッセルの微笑ましいエピソード。彼らのスポーツマンシップがレース後にディナーで締めくくられました。

レース中の攻防
F1モナコGPの決勝レースでは、2回のピットストップが義務付けられたため、多くのチームが意図的にペースを落として後続を抑え込む戦略を取りました。ウイリアムズのアレクサンダー・アルボンとカルロス・サインツJr.もこの戦略を採り、結果的にアルボンが9位、サインツJr.が10位とダブル入賞を果たしました。
ラッセルの行動
14番グリッドからスタートしたジョージ・ラッセル(メルセデス)は、アルボンを抜けずに業を煮やし、50周目にヌーベルシケイン(ターン10)をショートカットすることでアルボンの前に立とうとしました。無線では接触を避けるためにやむを得ない動きだったと主張しましたが、ポジションを戻さずにペナルティ覚悟でアルボンとのギャップを築こうとしたため、ドライブスルーペナルティが科せられました。最終的に、ラッセルは11位でフィニッシュし、ポイントを獲得できませんでした。
レース後のコメント
レース後、ラッセルは「正直言って、ポイント圏外だったから気にしていなかったよ」と語りました。また、「モナコを楽しむチャンスがなかったから、このサーキットをアクセル全開で走りたかった。世界最高のサーキットのひとつだからね。そしてそれを実行した。最後の25周は、この週末で一番楽しかった」と述べました。
一方でアルボンは、ラッセルの行動について「彼はやんちゃなんだよ。一般道で彼と一緒に車に乗っていると、やんちゃな動きをしたりするんだ」と振り返りました。さらに、「彼がやっていることはよく分かっていた。ちょっとあからさますぎてだめだったね。でもその努力には拍手を送りたい」とコメントしました。
レース後の和解
レースでは対立していた二人ですが、レースが終わればノーサイド。アルボンがラッセルにディナーを奢り、二人は笑顔で写真に収まりました。アルボンのInstagramの投稿は多くの反響を呼び、ファンは二人のスポーツマンらしい振る舞いに拍手を送りました。
ファンの反応
『これがスポーツマンシップというものだ』というコメントには、4000回近くもの「いいね!」がつき、ラッセルのペナルティに引っ掛けて『(ディナーも)ドライブスルーにすべきだった!』と気の利いたコメントをするファンもいました。
今回のF1モナコGPはスペクタクルなレースにはならなかったが、美しいスポーツマンシップを見られたのは、数少ない収穫だったと言えるでしょう。
By Alex Harrington