インテルの3-5-2戦術がCLで輝く!ラウタロ&テュラムの2トップが支える強さ
インテルの3-5-2戦術とラウタロ・マルティネス、マルクス・テュラムの2トップがチャンピオンズリーグで見せる強さを分析。

インテルの3-5-2戦術がCLで輝く
チャンピオンズリーグ(CL)準々決勝第1戦で、インテルはアウェーのバイエルンに勝利を収めました。ラウタロ・マルティネスが先制点を挙げ、85分に追いつかれたものの、88分に交代出場のダビデ・フラッテージが決勝ゴールを決め、勝利を掴みました。
堅守第一のインテル
セリエAで首位を走るインテルは、CLでも好調を維持しています。リーグフェーズでは8試合で1失点という驚異的な堅守を見せており、強豪ぞろいのCLの中で異彩を放っています。特に、1980~90年代のセリエAでスタンダードだった3-5-2フォーメーションを採用し、現代サッカーでは珍しい戦術を展開しています。
ラウタロ&テュラムの2トップ
ラウタロ・マルティネスとマルクス・テュラムの2トップが、インテルの攻撃の核となっています。ビルドアップでは無理をせず、危なくなったらすぐにボールを下げ、GKヤン・ゾマーを経由しながら大きく動かしていく戦術が特徴です。バイエルンのマンマークによるプレッシングに対しては、ポジションチェンジを織り交ぜて捕まらないようにする工夫も見られました。
堅実なディフェンス
インテルのディフェンスラインは、バルセロナのようなハイラインとは対照的に、時には斜めにラインを形成して裏をケアしていました。ボールへのプレスもさほど強くなく、前を向いている相手には決して突っ込まず、パスコースを切りつつも強引に距離を詰めることはしませんでした。
リード後の戦術
リードした後は、バイエルンにボールを持たせてローブロックで待ち構えていました。カウンターのチャンスがあっても、あまり人数をかけずに冒険しないため、逆カウンターもされませんでした。このような堅実な戦術が、インテルの強さを支えています。
伝統を踏まえたスタイル
1988-89シーズンにスクデットを獲ったチームと似たスタイルで、ローター・マテウス、アンドレアス・ブレーメ、ジュゼッペ・ベルゴミらを擁し、ジョバンニ・トラパットーニ監督に率いられたインテルは、前年に優勝したミランとは対照的でした。ゾーナル・プレッシングという新戦術を引っ提げたミランとは逆に、インテルはイタリアの伝統を踏まえた堅実重厚なスタイルを貫いています。
結論
トラパットーニ監督の戦術は堅実すぎて「つまらない」と批判されていましたが、バイエルン戦のインテルも娯楽性という点では似たようなものでした。しかし、現代ではあまり見ないプレースタイルが逆に新鮮に感じられ、インテルの強さを再認識させられる試合でした。