中日 OB・川上憲伸さんが語る!「野球から学んだことが、グッとくる…」高校・大学時代のエピソードを振り返る!
中日ドラゴンズの元投手で野球評論家の川上憲伸さんが、CBC ラジオ『若狭敬一のスポ音』に出演し、野球から学んだことについて語りました。

高校最後の甲子園での出来事
高校最後の甲子園の夏、春日部共栄高校と対戦した徳島商業の川上さんは、準々決勝で指にマメを作ってしまいました。4 対 0 で勝っていましたが、指のマメでまともに投げられない状態だったそうです。自ら監督に「このまま僕が投げ続けて、逆転されることが怖いので代えてください」とピッチャー交代を申し出た川上さん。川上さんを投手に育て上げた監督は、強い意思を確認し、ピッチャーを交代しました。しかしその後、チームは 4 対 11 で逆転負けしました。
10 年後の質問
その甲子園から十数年ぶりに同級生が集まり飲んでいる時に、こんな質問が出たそうです。「あの甲子園の時さ、なんで代わったん?」川上さんは「せっかくベスト 8 まで来たチームを、俺のマメのせいで負けてしまうかもしれない。俺としてはそんなことはできなかったんだよ。わかるやろ?」と答えたそうです。ところが、川上さんの答えに対して返ってきた言葉は「違うだろ!」でした。
エース の存在
さらに川上さんは「甲子園に来れたのも憲伸のおかげだと思うし、憲伸で打たれて負けるなら、俺たちは満足なんだよ」と言われたそうです。夏の予選もひとりで投げ切り、常にマウンドには川上憲伸というエース がいました。「お前の背中を見て、僕らは点を取ったり守ったりしてたから、それがマウンドにいないってことは、俺らからしたら終戦なんだよ。あの時は悲しかった」これを聞いた川上さんは、プロ野球で投げる時も、野手は常に自分を見ながら戦ってくれているんだと感じながらプレーしていたそうです。
人間がやること
川上「選手たちにとったら、勝つだけが全てじゃないんです」エース がマウンドにいて勝つから価値がある。負けるとしても、エース が最後まで投げ切ったなら価値がある。川上「そういうことに気付かされて、野球は人間がやることだなって感じました」川上さんは「人は何を欲しがっているんだろう?自分に何を求めているんだろう?と考えるようになったのは高校時代、さらに続く大学時代のおかげ」と続けます。