張本智和、世界を獲るための課題と新たな武器
日本のエース張本智和がアジアカップで連覇を逃した。中国勢との厳しい戦いの中で、課題となったのはバックハンドの打ち合いとミート打ち。新たな武器を手に入れることが、攻略のカギとなる。

張本智和のバックハンド、VS 左利きの場合
4 人中 2 人が勝ち抜けるアジアカップのグループリーグ。張本は、第 1 戦で中国の黄友政に 1―3 と敗れ、2 戦目を韓国のオ・ジュンソンに 3-0 とストレート勝ち。3 戦目もイランのニマ・アラミアンにストレート勝ち。2 勝 1 敗で勝ち上がった。2 戦目と 3 戦目は順当勝ちといえるところだが、問題となるのはやはり「VS 中国」。
サウスポーで、なおかつ“試合巧者”として名高い黄友政との一戦は、得点自体は大接戦ながら、「弱いところ」を突かれるような形で落としていた。この試合で目立っていたのは、張本の「下げられてからのバックハンドの打ち合い」でタイミングをずらされる姿だ。
第 1 ゲーム。台上チキータで入りたい張本。しかし、そうはさせまいと、黄は角度をつけて張本のフォアサイドを切るように斜め下回転サーブを出してくる。張本は 1-4 と引き離されるが、自分がサーブを持つと優位に立ち、黄に打たせてからフォアドライブで一発抜きを披露。2-5 とする。勢いはそのままに、自分にサーブが戻ってくるとさらに張本にエンジンがかかり 3 球目フォアドライブが決まる。5-5 と追いつく。
このあたりから、レシーブでもチキータが徐々に入り始める。しかし、黄のフォア対張本のバックになると、左利きからくる角度のあるボールにどうしてもタイミングが合わずにミスが出る。
9-8 と張本が逆転した場面でも、フォアからバックへ来るドライブ一発に合わせきれない。10―9 としても、また同じ角度から、今度はフォアフリック強打。またボールがネットにかかってしまい、10-10。デュースに入ると、長いつば競り合いが続いた。ツッツキも挟んで策を練った黄がそのまま 14-12 で勝ち切った。
このゲームで目立ったのは、張本の強打をブロックしようとした際のネットミスだった。