中山牝馬S展望:実力拮抗と微妙なハンデが難解な一戦

中山牝馬Sは実力拮抗の顔触れに加えて微妙なハンデの影響もあり、難解な一戦。中距離路線の実績馬が中心だが、激戦が予想される。

中山牝馬Sは実力拮抗の顔触れだ

[GⅢ中山牝馬ステークス=2025年3月8日(土曜)中山競馬場、芝内1800メートル(4歳上牝)]

今週の中山競馬は土日連続の重賞開催。土曜メインには、芝9ハロンの牝馬限定GⅢ中山牝馬Sが組まれている。実力拮抗の顔触れに加えて微妙なハンデの影響もあり、難解な一戦。中距離路線の実績馬が中心だが、GⅠヴィクトリアマイルを目指す馬もいて激戦が予想される。

牡馬相手のGⅢ中山金杯では4着に敗れたクリスマスパレード

牡馬相手のGⅢ中山金杯では4着に敗れ、中山コース4戦目で初黒星を喫したクリスマスパレード(4・加藤士)だが、GⅡ紫苑Sのレコード勝ちも含めてコース実績はピカイチ。小回り向きの安定した先行力があり、1ハロンの短縮も問題はないだろう。他馬との比較でトップハンデタイの56キロがどこまで影響するかがポイントだ。

前走のGⅢ小倉牝馬Sで1着同着ながら重賞初Vしたシンティレーション

シンティレーション(6・池上)は前走のGⅢ小倉牝馬Sで1着同着ながら重賞初V。昨夏以降の充実ぶりが目を引く。1800メートルは<4・3・2・2>で中山芝も<2・1・1・2>と安定感十分。ハンデは前走より1キロ増えて56キロになったが、近況を踏まえると大きなマイナスにはなるまい。

前走の壇之浦Sを制してオープン入りしたセキトバイースト

セキトバイースト(4・四位)は前走の壇之浦Sを制してオープン入り。ただ、チューリップ賞2着、ローズS3着と牝馬GⅡで上位争いを演じた実績があり、むしろ遅すぎた2勝目だった。中山は未経験だが、この芝1800メートルは先行馬に有利なコース形態だけに、連勝での重賞初Vも考えられる。ハンデは55キロに決まった。

昨年暮れのGⅢターコイズSで2着に奮闘したビヨンドザヴァレー

昨年暮れのGⅢターコイズSで2着に奮闘したビヨンドザヴァレー(5・橋口)は、通算15戦中14戦で掲示板を確保している堅実派。9ハロンは約1年半ぶりだが、自在性のある脚質だけに問題はなさそうだ。前回より1キロ増えた54キロのハンデも守備範囲だろう。

昨秋の新潟戦以来となるシランケド

昨秋の新潟戦以来となるシランケド(5・牧浦)も逃げ差し自在のレースぶり。コンスタントに使えるタイプではないが、2、3勝クラスを連勝しているように素質は高い。3歳夏以降、8戦全て3着以内と底を見せておらず、手の内に入れているM・デムーロとのコンビで重賞初Vを狙う。ハンデは54キロ。

スタートが安定せず戦績にムラがあるミアネーロ

ミアネーロ(4・林)はスタートが安定せず戦績にムラがあるが、昨年のGⅢフラワーCを勝ち、紫苑Sでも2着と中山の中距離は得意。1週前に美浦ウッドでラスト1ハロン11秒1の切れ味を発揮しており、久々でも仕上がりは上々だ。ハンデ55・5キロも馬格があるだけに影響はないとみる。

昨年の覇者コンクシェルと一昨年のGⅢフラワーCを勝ったエミュー

このほか、昨年の覇者コンクシェル(5・清水久)=55キロ、一昨年のGⅢフラワーCを勝ったエミュー(5・和田郎)=53キロ、昨年暮れのディセンバーS2着のジューンオレンジ(5・長谷川)=54キロ=はいずれもコース実績のあるメンバー。芝2200メートルの迎春Sを勝ってオープン入りしたホーエリート(4・田島)=54キロ=も昨春のフラワーC2着馬で、距離短縮に不安はない。例年以上に重賞での実績を持つ馬が多く、好レースが期待できそうだ。

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