【鹿島】濃野公人が語る、アバウトなクロスの意図とサッカーセンス
鹿島の濃野公人が、なぜヴェルディ戦でアバウトなクロスを繰り返したのかを語った。

速いテンポで次々とクロスを供給
鹿島アントラーズは 2 月 22 日、J1 第 2 節で東京ヴェルディとホームで対戦。レオ・セアラと鈴木優磨が 2 点ずつを奪い、4-0 で勝利を収めた。
この試合で今季初先発したひとりが右 SB 濃野公人だ。ルーキーイヤーの昨季は開幕スタメンを飾ると、リーグ戦で 31 試合連続で先発。9 月の湘南ベルマーレ戦(2-3)で右膝外側半月板を損傷し、その後は戦線を離脱したが、J1 ベストイレブンに輝く活躍ぶりだった。
今季は開幕節の湘南戦(0-1)では 66 分からの途中出場だったが、東京 V 戦で約 5 か月ぶりの“先発復帰”。立ち上がりから積極的な攻撃参加を繰り返し、速いテンポで次々とクロスを供給した。
アバウトなクロスに込められた意図
そんななかで気になったのが 38 分の 2 本のパスだ。センターサークル付近でこぼれ球を拾うと、ダイレクトでロビングのロングボールをゴール前へ供給。続けて右サイドで鈴木のパスに反応すると、これもダイレクトでクロスを送った。
このほかにも、昨季であれば、自ら持ち上がったり、シュートを狙いそうな場面でもダイレクトでクロスを送るシーンが多く、ややアバウトになってもお構いなしとも見える配球が多々あった。
これは意図したものだったのか? 試合後に濃野本人に真意を尋ねると、以下のように語ってくれた。
「そうですね。せっかく前に 2 トップがいて、多少アバウトなボールでもマイボールにしてくれるのは練習時から見ていて感じていました。オニさん(鬼木達監督)が来て、短いパスをけっこう多用するなかで、そういうのもひとつアリなんじゃないかとずっと思っていました。 アバウトなパスでも、レオ(・セアラ)も(鈴木)優磨君も反応してくれるので、チームが前進していけるなら、そういうプレーも大切かなと」
精度はもちろん必要だが、チームが前進するためにも、適切なタイミングを心掛けた。加えて、監督からのアドバイスを自分なりに解釈した結果でもあるようだ。
「オニさんも前節の反省から、ゴール前に入れる場面では簡単に入れて良いという話もありました。特に相手が 5 バックで、最終ラインの裏は常に狙っていけと。すべてが短いパスをつなぐだけじゃなくて、ゴール前や最終ラインの裏を突くパスも使っていけっていう話もあったので」
得点に直結したわけではないが、指揮官の意図を汲み取り、すぐさま実行に移せるセンスの良さを感じさせるプレーだった。