侍ジャパンの西川史礁、非凡な才能を見せる
侍ジャパン大学代表の西川史礁外野手が、対外試合で 5 打席連続安打を放つなど非凡な才能を見せ始めている。

ロッテ・ドラ1西川の打撃の特徴とは? 対外試合で5打席連続安打
「オープン戦、中日1-5ロッテ」(22日、Agreスタジアム北谷) ロッテのドラフト1位・西川史礁外野手(21)=青学大=が対外試合で5打席連続安打を放つなど、すでに非凡な才能を見せ始めている。広角に打ち分ける能力に、長打力も兼備するルーキーの打撃を栗原健太打撃コーチ(43)が分析。その特徴は「リアクション」の速さにあるとした。
糸を引くような鋭いライナーがセンターを中心に左中間、右中間に飛ぶ。西川の打撃練習。とにかく打球が速い。フェンスは越えないだろうな-という打球も失速せずにスタンドインする。そんな打球を何本も披露していた。
「強い打球を、低い強い打球を飛ばそうと思っています。あとは左中間に打ち返す、と日頃思っています。そういう意識で毎日バッティングをしています」。打撃における自身の哲学がある。その意図を「あまりドアスイングになり過ぎずに、しっかりと低い打球を狙う」と明かし「その結果、上に飛ぶ分はいいと思う」と話した。
キャンプ序盤に西川の打撃練習を見た栗原健太打撃コーチ(43)は「ちょっと衝撃でした」と驚きの表情。「ポイントの幅を持っている。ちょっと差し込まれるかなって思っても、うまく畳んで打った。対応力もありそうだなっていうの感じました」という印象を持ったという。そして、そのメカニックを分析した。
「ステップして(左足を)着地してからの回転するスピード。速くはできるんですけど、西川の場合は小さく速く回れる。着地してからの『リアクション』って言って、この速さが結構重要なんです。打つって決めてから、一発でバットを出す速さですよね。みんなどうしてもミートしたいって思うんで、ちょっと探るんですよ。それを探りにいかずに出せるので、力が伝わりますよね」。
特徴的なのはリアクションの速さ。同コーチが球界にも「あんまりいない」という難易度の高い技術。その利点は「呼び込むことができる。バッターはできるだけ長くボールを見たいんです。だけど、スイングの速さだったり、リアクションの速さがないとなかなか難しい。スイングスピードが遅い選手は前で打つしかないので」と解説した。
その言葉を実証する打撃があった。19日の練習試合・広島戦(沖縄)。第1打席で追い込まれてから外角の直球を右前にはじき返した。西川は「ポイントは近かったんですけど、体で回ることができて。しっかりと芯に近いところで打つことができたので、打球も走ってくれて、抜けてくれた」と振り返った。
同コーチは「強く振れるので、ボールに負けないってことですよね。差し込まれて普通はファウルになるんですけどヒットゾーンに飛ばす。なかなかできない技術の一つですよね」と分析した。ボールを長く見て、呼び込んで打てる。ポイントが近くてもファウルにならず右方向にもいい打球が飛ぶ。リアクションの速さゆえの技。広角に打てる理由がそこにあった。
西川は目標を開幕スタメンに設定。その先に新人王を見据える。「もっともっと上を目指してやっていきたい」。開幕まで1カ月余り、さらにレベルアップした姿を披露する。(デイリースポーツ・鈴木創太)