筒香嘉智、爆発の予感漂う!「ハマの師」が語った日本での苦闘と復活への思い【独占】
プロ野球選手の筒香嘉智が、日本球界への適応に苦しみながらも復活を目指している。昨年は怪我もあり、成績は振るわなかったが、シーズン終盤から調子を上げ、日本シリーズでは好成績を残した。今年は沖縄でのキャンプで順調な調整ぶりを見せており、コーチ陣からも期待が寄せられている。

筒香嘉智に漂う爆発の気配 “ハマの師”が語った日本「適応」に苦しんだ大砲の現状「打てると思います。まだ 33 でしょ?」【独占】
「GO NEXT GO」――。筒香嘉智の 2019 年以来のベイスターズ帰還の決まった昨年 5 月、横浜の街は熱狂した。ヤクルトとの復帰戦では、懐かしい応援歌をバックに、起死回生の逆転 3 ランをマーク。セ・リーグ制覇の使者としての期待は大きく膨らんでいった。
しかし、その後は日本球界への適応に苦心し、脇腹の骨折も重なった。「アメリカで数年プレーをしていたので、当初は対応のところで少しは時間かかるなという僕のプラン、感覚はあったんですけど、怪我の影響もあり最後までそこが長引いてしまったなというシーズンでした」と本人も振り返るように、レギュラーシーズンは出場 57 試合で、打率.188、7 本塁打、23 打点と淋しい数字に終わった。
もっとも、3 位で進出したポストシーズンでは、打率.273(22 打数 6 安打)、1 本塁打、6 打点と復調。息を吹き返した要因は、シーズン中からの試行錯誤が少しずつ形となって現れてきたからに他ならない。
「何の不安もなく投手と対戦できるっていう感覚が、日本シリーズ前ぐらいからより濃くなってきて。そして(日本シリーズで)福岡に行って試合に出た時に、やっぱりこの感覚だなっていう方向がだいぶ見えたんです。やってきたことが日本シリーズでちょっとハマってきたっていう感覚がありました。最終戦では『もうこれだな』っていうのが自分の中で明確になりました」
そして年も明け、久しぶりの日本流キャンプ。慣れ親しんだ沖縄・宜野湾の環境に「やりやすいですね」と 33 歳の大砲は頷く。ここまでは、シーズン終盤にかけて良くなっていった感覚をベースに置きながらも「去年の感覚も全てが良いわけではない。もちろんプラスアルファもあります」と、変わらぬ向上心を持って日々トレーニングに励む。
沖縄にしては肌寒い日もありながら、筒香は早い時期から実戦形式の練習でも精力的に汗を流す。20 日に行われたロッテとの練習試合でもヒットを放つなど、順調な調整ぶりを見せている。
もちろん、コーチ陣の期待も小さくない。今シーズンからふたたびベイスターズのユニフォームに身を包んだ村田修一野手コーチは、昨年に筒香が苦しんだ理由を「アメリカに行っていろんなボールを投げられてね。プロセスよりもやっぱり結果が大事になっていたこともあって、タイミングを小さく取りながらってなると、テイクバックも小さくなる」とアメリカ仕様から日本仕様に打撃フォームをアジャストする時間が“要因”と分析した。
では、“完全復活”のカギは何か。「反対方向は確かに大事です」と語る村田コーチは、筒香の特徴でもある、逆方向への長打に理解を示しながら、こう説いている。
「しっかり狙った時には引っ張れるように。左打者はボールを内側に引っ張り込めるんで、その時にライト方向に強い当たりを打てるように、身体を閉じて引っ張れる打ち方をもう 1 度思い出してくれればいいんじゃないかな。身体が止まった状態で、いかに小さい駒運動の動きで前にバッと出せるか」