「今ごろ、大エースになっていたはず」ヤクルト OB の宮本慎也氏が指名、チームの低迷を救う「2 人のキーマン」
ヤクルトの宮本慎也氏が、球団の低迷を救うために指名した 2 人のキーマンについて語る。

高橋奎二と奥川恭伸、ヤクルトをけん引する 2 人のキーマン
現役時代に横浜(現 DeNA)で活躍した野村弘樹氏とヤクルトで活躍した宮本慎也氏が、スポーツアンカー・田中大貴氏の YouTube チャンネル「アスリートチャンネル」にゲスト出演。2 月上旬に更新された動画内で今季のセ・リーグ順位予想を行った。
野村氏の予想は以下の通り。
1 位:DeNA、2 位:巨人、3 位:阪神、4 位:広島、5 位:ヤクルト、6 位:中日
まず優勝予想として挙げたのは、昨年リーグ 3 位からの下剋上で劇的な日本一を飾った DeNA。野村氏は特にポストシーズンの CS の戦い方を踏まえ、守り勝つ野球を体現したことが大きかったとした。
「打ち勝たないと無理だと思っていたが、守り勝った」として、さらに助っ人 2 投手、ジャクソン、ケイの好投も光ったとした。
さらに今季のチームには、2023 年に 10 勝をマークしたトレバー・バウアーの 2 年ぶり復帰が発表されるなど、先発陣に厚みが増すことが予想される。
一方で、宮本氏は「抑えが心配」と、クローザーへの不安を口にした。森原康平が守護神を務めるも、後ろは伊勢大夢が先発に転向するなどやや手薄になるとあって、勝利の方程式の行方を心配する場面もあった。
また、野村氏はヤクルトに関しては 5 位予想。2021、22 年には 2 年連続リーグ優勝、日本一を果たしたチームも、以降 2 年間は連続 5 位と低迷中だ。
再び栄光を取り戻すべく、球団 OB でもある宮本氏はキーマンとして 2 投手の名前を挙げた。
1 人は、高橋奎二だ。2021 年には後半戦から先発陣を引っ張る活躍でリーグ優勝へ貢献すると、オリックスと戦った日本シリーズでは第 2 戦に相手打線を 5 安打でプロ初完封を記録し、優秀選手賞を受賞した。
22 年には 17 試合に登板し 8 勝 2 敗、防御率 2.63 をマークするなど、左のエース格として先発陣の中心となり 2 年連続リーグ優勝へ導く活躍をした。
だが、WBC にも出場した 23 年は 4 勝 9 敗、昨年は 8 勝 9 敗と、貯金を作ることができず、チームも低迷している。自身も奮起を誓っているが、左腕エースとしてチームをけん引する働きが求められている。
もう 1 人のキーマンとして名を挙げたのは、奥川恭伸だった。2021 年には、登板間隔を空けながらもローテーションを守り、プロ初勝利を含む 9 勝を挙げリーグ優勝に貢献。
圧巻だったのは巨人と戦った CS ファイナル S 初戦(神宮)の投球だった。6 安打 9 奪三振と完璧に封じ込め、球数 98 球と「マダックス」(100 球未満の完封勝利を指す)を成し遂げた。20 歳 6 か月と CS 史上最年少となるパーフェクトピッチングで人々の記憶に強く刻み込まれた。
そして日本シリーズの大舞台でも初戦を任され、7 回 1 失点の好投をみせ、チームを日本一に導く大車輪の活躍をみせた。
しかし、その後は右ひじの故障、左足首骨折など度重なる怪我に苦しみ、成長曲線は足踏みが続いたが、昨年 6 月 14 日のオリックス戦で 980 日ぶりの白星を挙げた。今春のキャンプでは「下半身のコンディション不良」で 18 日のロッテとの練習試合の先発を回避し、状態が心配されているが、その後は再びキャッチボールなども行っている。
宮本氏は 2 投手に関して「2021 年の日本シリーズを見たら、今頃大エースになっているはずなんですよ」とコメント。野村氏もこの意見にはうなづきながら、「吉村(貢司郎)、高橋、奥川で 30 勝できれば面白いですよ」とペナントレースをかき回す存在になると指摘する。
さらに、両氏は 3 年連続最下位と低迷中の中日についても言及。
今季は、昨季まで先発ローテーションの中心となってチームを支えた小笠原慎之介がポスティングでメジャーリーグに移籍したほか、絶対的守護神のライデル・マルティネスも巨人へ移籍するなど、投手陣が不安視される。
その点、宮本氏は特に小笠原が抜けた先発陣の穴を埋める存在として名を挙げたのがドラ 1 ルーキー・金丸夢斗だ。肩に不安がある中、今春のキャンプもスロー調整中。シーズンに関しても「ゆとりローテ」で登板間隔をあけながら、うまく使えば十分活躍の見込みはあるとした。以上の条件を満たせば、7、8 勝はするのではと、ポテンシャルの高さにも期待を寄せる。
オープン戦もいよいよスタートと球界のスケジュールが開幕に向け着々と進む中、各選手の仕上がり具合、各チームの調整にも注目が高まりそうだ。