【西武】西口監督が語るチーム再建への覚悟とフロントへの要望
西武・西口文也新監督がチーム再建への覚悟を語り、本紙専属評論家の伊原春樹氏がその言葉を受け止め、フロントに異例の要望を出した。

西口文也新監督の覚悟
西口文也新監督は、西武が昨季歴史的な大敗を喫し、3 年ぶりのリーグ最下位となったことを受け、チーム再建を託された。現役時代はライオンズ一筋で 21 年間を過ごし、182 勝を挙げた「獅子のエース」である。
コーチ陣の充実
新監督としての心構えを聞くと「もしも伊原さんが今、コーチをやっていたらパワハラで訴えられますよ」と笑顔で返ってきた。一、二軍の投手コーチ、ファーム監督として 7 年間指導してきた指揮官の配慮がうかがえた。投内連係練習で目立っていたのは新任の鳥越裕介ヘッドコーチと仁志敏久野手チーフ兼打撃コーチ。さらに大引啓次内野守備・走塁コーチと〝西武外〟から 3 人が加わった。加えて私も人柄をよく知る立花義家打撃コーチが復帰した。
課題は得点力不足
課題は何と言っても得点力不足だ。手塩にかけて育ててきた投手陣はコマがそろっている。監督は「セカンドはちびっこ軍団で。若いヤツでいきます」と外崎修汰内野手を三塁にコンバートすることでチーム内競争を活性化。戦力の底上げを図るという。球団も前オリックスのレアンドロ・セデーニョ内野手を獲得したとはいえ、ライバル球団と比べればやはり心もとない。
フロントへの要望
西武フロントに強く言いたいのは、腰を据えて西口監督を見守ってほしいということだ。身近なお手本がある。日本ハムの指揮官として 4 年目に突入した新庄監督だ。就任から 2 年連続最下位でも首にせず任せたことで若手が成長し昨季リーグ 2 位へと躍進した。背広組が腹をくくる必要がある。新監督は複数年契約を結んだというが、昨季に松井稼頭央前監督を 2 年契約途中の 5 月で切ったあしき前例がある。フロントがドタバタしては何より選手を「この監督についていって大丈夫なのか」と不安にさせてしまう。チーム再建とは 1、2 年で、いきなり結果が出るものではない。フロントと現場が一枚岩となり新監督を全面的にバックアップする必要があるだろう。