フォルティウス、女子で死闘V!! 吉村紗也香が勝利を喜ぶ
カーリング日本選手権最終日、女子はフォルティウスが延長戦の末、北海道銀行を下して優勝。五輪代表候補決定戦出場権獲得。

フォルティウス、女子で死闘 V!! 吉村紗也香が勝利を喜ぶ
カーリング・日本選手権最終日(9 日、横浜 BUNTAI)女子はフォルティウスが延長戦の末、北海道銀行を 8―7 で下して優勝した。9 月のミラノ・コルティナ五輪代表候補決定戦はフォルティウス、前回大会覇者の SC 軽井沢ク、世界ランキング日本勢トップで今大会 3 位だったロコ・ソラーレの 3 チームで争われる。男子は SC 軽井沢クがロコ・ソラーレを 7―5 で下して制覇した。五輪代表候補決定戦では前回王者のコンサドーレと対戦する。今大会の優勝チームは 3 月開幕の世界選手権に出場する。
五輪への道がつながった
女子決勝は延長にもつれ込む大熱戦の末にフォルティウスが勝利。世界選手権の切符とともに、五輪代表候補決定戦の出場権をつかんだ。
「最後は自分の感覚を信じて、思い切って投げた。この場に立てて楽しかった」。33 歳のスキップ、吉村紗也香は涙を流して優勝を喜んだ。
一進一退の攻防だった。2―3 の第 6 エンドでは、ラストショットを吉村が決めて 3 点を奪ったが、その後は追い上げられて第 8 エンドで同点。第 9 エンドでドローショットを決めて 2 点を追加したが、最終第 10 エンドにまたも追いつかれた。勝負が決したのは延長の第 11 エンド。先行の北海道銀行が最終投でミス。吉村が冷静にハウス(円)中心近くにストーンを運んだ。
北海道・常呂高時代から日本のトップを走り続けてきた吉村は 2020 年に結婚し、23 年 12 月に第 1 子となる長男を出産。休養期間を挟み、昨年から競技に復帰した。子育てとの両立に不安もあったというが、「出産を経験して、メンタルの面が以前よりも冷静でいる自分はいるなという感覚がある。今の自分は好き」と強さを増して氷上に戻ってきた。
日本選手権の優勝は北海道銀行フォルティウスとして臨んだ 2021 年大会以来、4 年ぶり。「帰ったら、わからないと思うけど(子供に)メダルをかけてあげたい」と目尻を下げた。
次に狙うのは悲願の五輪初出場だ。SC 軽井沢ク、ロコ・ソラーレ との三つどもえで五輪代表候補決定戦に臨む。「そこへの思いはみんな強い」と吉村。たくましさを増したママさんカーラーが、チームを五輪へと導く。
■リードの近江谷杏菜「すごくしびれる試合だった。冷静さを意識していた」