元阪神捕手で野球評論家の狩野恵輔氏は、プロ7年目の2007年シーズンに大きな飛躍を遂げました。開幕からシーズン終盤まで1軍でプレーし、54試合、95打数26安打の打率.274、3本塁打、11打点の成績を残しました。このシーズンは、下積み期間を経て、ついに結果を出し始めた年として記憶されています。

しかし、狩野氏にとってこの成功はゴールではありませんでした。さらなる飛躍を目指し、2008年の春季キャンプでは、その決意を示すべく丸刈り姿で臨みました。この姿勢は、岡田彰布監督の下でチャラチャラしている選手が嫌いであることを知っていたからこその行動でした。

2007年シーズン中、狩野氏は4月20日の巨人戦（甲子園）で延長12回に代打で登場し、プロ初安打となるサヨナラ打を放ちました。この瞬間は、彼のキャリアの中でも特に印象深いものとなっています。その後、4月21日の巨人戦では「7番・捕手」で起用され、4打数3安打と気を吐きました。

しかし、正捕手・矢野輝弘の存在は大きく、狩野氏の出番は限られていました。シーズン終盤には右肘を痛め、9月27日に登録を抹消されました。それでも、狩野氏はオフシーズンにウエートトレーニングを徹底し、2008年シーズンに向けて準備を整えました。

狩野恵輔氏のプロ野球キャリアは、挑戦と苦闘の連続でしたが、その姿勢と努力は多くのファンに感動を与えました。