大の里、横綱昇進確実!元大関「大ノ里」の偉業を超える
大の里が横綱昇進を確実にし、元大関「大ノ里」の偉業を超える。その背景と歴史的意義を探る。

大の里の横綱昇進が確実に
大相撲夏場所13日目、大の里が横綱昇進を確実とし、そのしこ名の由来である元大関「大ノ里」の偉業を超えることになりました。大の里のしこ名は、大正から昭和初期にかけて活躍した元大関「大ノ里」からいただいたもので、その歴史的背景も深く刻まれています。
天内家との絆
大の里の出身地である青森・藤崎町には、親族である天内司さん(72)が在住しています。天内さんは大の里について「風格が出てきた。真面目な態度がとても好感が持てる」と語り、その立ち合いの姿に「ここまできたら全勝してほしい」と期待を寄せています。
しこ名の復活
大の里の師匠である二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)の希望により、天内さんに了承を求め、快諾を得て「おおのさと」という由緒あるしこ名が約90年ぶりによみがえりました。
大ノ里の偉業
大ノ里は164センチ、98キロと体格には恵まれなかったものの、足腰の強さと腕力、そして稽古熱心さで大関となり、「土俵の神様」といわれました。しかし、関脇天竜らとともに力士の待遇改善を訴え、昭和7年1月に決起した「春秋園事件」で日本相撲協会を脱退し、関西相撲協会を結成しました。
未来への期待
天内さんは「大の里関は相撲に集中できる幸せや感謝を感じて土俵へ向き合い、相撲道をきわめてほしい」と願っています。昨年8月には当時関脇だった大の里が藤崎町を訪ね、天内さんと対面し、浴衣地の反物や手形を贈りました。その手形は自宅玄関に、大ノ里の掛け軸と並んで飾ってあります。
大の里が「おおのさと」のしこ名を、またひとつ大きくしました。大ノ里も天国で、大の里関の昇進を喜んでいることでしょう。