ヤニック・シナー、BNLイタリア国際で復帰即準優勝「想像以上」の戦い
ヤニック・シナーがBNLイタリア国際で復帰戦を飾り、準優勝を獲得。その戦いぶりと今後の展望について詳しく紹介。

シナー、BNLイタリア国際で復帰即準優勝
男子テニスのBNLイタリア国際(イタリア/ローマ、レッドクレー、ATP1000)は、日本時間19日にシングルス決勝が行われ、第1シードのヤニック・シナー(イタリア)は第3シードのカルロス・アルカラス(スペイン)に6-7 (5-7), 1-6のストレートで敗れ、準優勝となった。シナーは試合後に「全てにおいて想像以上だった」と語った。
シナーの復帰戦
23歳で世界ランク1位のシナーは、今季1月の全豪オープンで優勝を果たしたが、2月に禁止薬物クロステボルが検出されたことで、2月9日から5月4日まで約3ヵ月の出場停止処分を受けた。そのシナーは、出場停止処分を終え、母国イタリアで開催される今大会から復帰。シナーが同大会に出場するのは2年ぶり6度目で、最高成績は2022年のベスト8だった。
大会の戦い
約4ヵ月ぶりに復帰したシナーは、初戦の2回戦で世界ランク99位のマルコ・ナヴォーネ(アルゼンチン)、3回戦で同93位のジェスパー・デ・ヨング(オランダ)、4回戦で第17シードのフェデリコ・セルンドロ(アルゼンチン)、準々決勝で第6シードのカスパー・ルード(ノルウェー)、準決勝では第11シードのテイラー・ポール(アメリカ)を下し、決勝へ進んだ。
決勝戦の詳細
22歳で世界ランク3位のアルカラスとのライバル対決となった決勝戦では、第1セットで両者ともに質の高いプレーでキープを重ねタイブレークに入ると、シナーは5-7でタイブレークを奪われ先行される。続く第2セットでも、シナーは第2ゲーム・第4ゲームでブレークを許し、相手のサービスゲームではブレークのチャンスを掴むことができず1時間43分で敗退し準優勝となった。
シナーのコメント
男子プロテニス協会のATPは公式サイトにシナーのコメントを掲載している。
- 「第1セットは流れを変えてしまうほどの展開だった。でも全体的には、この大会にとても満足している」
- 「パリでも良いテニスができる自信がついた、どんな結果が出るか楽しみだ」
- 「3ヵ月ぶりにここに来て、この結果を出すことができたのは、僕にとってもチームにとっても大きな意味があった。ここに来るために、僕たちはたくさんの努力を重ねてきた」
- 「ここイタリア、ローマでプレーするのは本当に特別なこと」
- 「みんなが小さな子供のように温かく迎えてくれる。応援は素晴らしかった。パリで良い成績を残したいなら、今日見たように改善すべき点がいくつかあるのは確かだ」
- 「ある意味、全てにおいて想像以上だった。(優勝できなかったが)ある意味良い結果だった。僕にとって素晴らしい1週間だった。信じられないほど良い試合もあれば、もっと良くできた試合もあった。でも、これがテニス。浮き沈みの激しいものなんだ」
シナーの今後の展望
母国でツアー大会20度目の制覇を狙ったがあと一歩及ばず、準優勝となったシナーは、昨年から続くマッチ連勝記録も26で途絶えた。一方、優勝したアルカラスはツアー大会19度目のタイトル獲得を果たした。
シナーは今後の大会での活躍に期待がかかる。特に、次のグランドスラム大会である全仏オープンでのパフォーマンスが注目される。