阪神・掛布雅之 OB 会長が提言「米国の 3A、2A のように…」
阪神タイガースの掛布雅之 OB 会長が、プロ野球の 2 軍戦のあり方について提言しました。

阪神・掛布雅之 OB 会長が提言「米国の 3A、2A のように…」
阪神タイガースの掛布雅之 OB 会長が、新球場・SGL スタジアム尼崎で行われたウエスタンリーグ・阪神-広島戦の始球式に登場し、視察した新施設の行き届いた環境に目を見張り、興行的な視点も交えて自身の描く理想のファームチーム像として、このように提言した。
「いまはもう、『2 軍戦』と言ってはいけないのかな。米国の 3A、2A のように呼び方を変えた方がいいんじゃないか。チーム名やユニホームも 1 軍と違うものにして独立性があるような形にして。プロとして勝負できる野球を見せないと」
2016 年から 2 シーズン、2 軍監督も担い、鳴尾浜の球場を訪れるファンの熱気をよく知る掛布 OB 会長。現在のプロ野球は全体のレベルも底上げし、ファームの選手たちも激しく競い合う姿やプレーでファンに楽しんでもらえるとの思いは強い。
1 月に行われた甲子園歴史館の運営会議でも「球団創設 90 周年」のイベントとして鳴り物応援なしの無音試合を提案。発する言葉には、これまでと違った角度でプロ野球の魅力に着目し、もっとファンに楽しんでもらいたい気持ちがあふれている。
米国でも、メジャー各球団傘下のマイナー球団が独自の愛称で親しまれ、本拠地から遠隔の地域の人々にも野球観戦の娯楽を提供している。日本でもファームチームの個性にもっと光を当てることで、野球ファン層の拡大や営業面でのプラスも見込めそうだ。
TBS が経営していた時代の横浜球団では 2000 年からの 11 シーズンにわたり 2 軍が「湘南シーレックス」の名称で運営され、オリックスも穴吹工務店とスポンサー契約を結び、2000 年から 6 シーズン、同社のブランド名を冠した「サーパス神戸」を 2 軍のチーム名としたこともあった。
阪神でもチーム名を変えるまではいかないが、球団創設 90 周年の企画として、今季ユニークな試みを行う。1954 から 3 シーズン、2 軍が「ジャガーズ」を名乗った歴史にちなみ、3 月 28 日~30 日と 7 月 4 日~6 日の対くふうハヤテ 6 試合で「阪神ジャガーズデー」を開催。ジャガーズ時代のユニホームのリメーク版を着用して試合を戦う。ファームチームの個性化につながる効果も期待できる妙案だ。