第 97 回選抜高校野球大会直前!東大 VS 横浜高の異例の練習試合
第 97 回選抜高校野球大会に出場する横浜高が東京大と対戦。異例のマッチアップで、横浜高が圧勝した。

第 97 回選抜高校野球大会直前!東大 VS 横浜高の異例の練習試合
18 日開幕の第 97 回選抜高校野球大会に出場する神奈川県の横浜高が東京大と対戦し、12 点差をつけて圧勝した。甲子園の優勝候補と東京六大学野球リーグの一角が演出した異例のマッチアップ。練習試合にもかかわらず、主力メンバー同士がぶつかり合ったグラウンドは歓声と熱気に包まれた。
「集合!」。文京区にある東大の球場で練習試合が行われたのは 7 日午後。審判のかけ声に合わせ、両校のナインが勢いよく整列した。わき起こる拍手と歓声。500 人を収容できる観客席は満杯で、関係者を「これほどの人出は初めてだ」と驚かせていた。
昨年秋のリーグ戦では 2 勝を挙げた東大は、下手投げのエース右腕、渡辺向輝選手(3 年)と、プロ注目の外野手、酒井捷副将(3 年)らを軸にチームをつくる。横浜高は甲子園で春夏通算 5 回の優勝を誇る名門。エース左腕、奥村頼人選手(2 年)と右腕、織田翔希選手(1 年)の二枚看板は健在で、この春の選抜大会でも優勝候補の一つに挙げられている。
高校と大学が練習試合を行う場合、体格差や技術レベルの差を考慮し、大学側は下級生や控え選手を出場させることがほとんどだ。しかし、この日は、東大は先発メンバーを主力選手で固め、「本気度」をうかがわせた。
対戦が実現したのは、神奈川出身で、横浜高の試合をみた東大の杉浦海大主将(3 年)が「東京六大学のレベルに近いと感じ、対戦したいと思った」からだ。母校の湘南高を通じて横浜高に試合を申し込むと、横浜高の村田浩明監督は快諾してくれた。
村田監督は「(甲子園で)一番の場所に行くことを大事にしてきた。大学で野球を続ける選手も多い。交流の場があるのはすごく大事だ」と振り返る。
結果は、横浜高に完敗だった。東大の大久保裕監督は「アウトにできる守備機会でアウトを取りきれず、そこから失点してしまった。甲子園の優勝候補に挙がるような強豪と対戦でき、いい経験になった」と話す。
杉浦主将は「統率や連携の取れた上に堅い内野守備は、さすが横浜だと思った。リーグ戦では自分たちの得意な分析が生かせるので、しっかり準備して、春のリーグ戦で勝ち点を挙げられるようにしたい」と語り、早稲田大とぶつかる 4 月 12 日のリーグ戦初戦に向けて闘志を燃やした。
7 日は選抜大会の組み合わせ抽選会も行われ、横浜は大会第 2 日に和歌山市立和歌山高との対戦が決まった。阿部葉太主将(2 年)は「甲子園前にこのような舞台を経験できたのはプラスになった。(甲子園でも)自分たちの試合ができれば」と話した。(宮崎秀太)