【フィリーズレビュー展望】確たる軸馬不在で混戦模様 実績馬はいずれも大敗後で波乱の可能性も

今年から土曜に移設された GⅡフィリーズレビューは、施行時期が 1 週前倒しされて本番までの間隔が中 4 週となる。人気薄の差し馬には特に注意を払いたい。

【フィリーズレビュー展望】確たる軸馬不在で混戦模様 実績馬はいずれも大敗後で波乱の可能性も

今年から土曜に移設された GⅡフィリーズレビュー。桜花賞トライアルとして長く定着している 7 ハロン戦だが、今年は施行時期が 1 週前倒しされて、本番までの間隔が中 4 週となる。フィリーズレビュー組による桜花賞 V は過去 10 年でレーヌミノル(2017 年 2 着)の 1 例のみだが、日程変更によってどんな影響が出るのか。モデルチェンジしたトライアルとして注目が集まる。

過去 10 年で馬券に絡んだ 30 頭のうち、13 頭は 6 番人気以下。特に近 5 年のうち 4 回は単勝 11 番人気以下の穴馬が好走して、3 連単の配当が 10 万円を超えた。昨年のエトヴプレは逃げ切ったものの、スプリンターに近いスピード馬のチャレンジもあって差し馬の台頭が目立つのもレース傾向のひとつ。人気薄の差し馬には特に注意を払いたい。

人気が読めない顔触れだが、実績最上位は牡馬相手に GⅡデイリー杯 2 歳 S を制したランフォーヴァウ(福永)。GⅠ阪神 JF では 11 着に敗れたが、スピードに乗りかけた勝負どころで不利があったもので、大敗を額面通りに受け取る必要はない。デイリー杯 2 歳 S で 2 着だったドラゴンブーストは年明けの GⅢ京成杯でも 2 着と好走。決して恵まれた勝利ではないだけに、2 度目の重賞 V に期待がかかる。

ダンツエラン(本田)は GⅢファンタジー S の勝ち馬。阪神 JF は 17 着に終わったが、初めてのモマれる競馬に加えて精神面も不安定な気配があった。放牧を挟んでリフレッシュした今回は、実績ある距離になる点も含めて巻き返しが望める。帰厩後の動きも上々だ。

武豊とのコンビで挑むリリーフィールド(小崎)も阪神 JF12 着以来の復帰戦。昨秋のもみじ S はやや相手に恵まれた印象もあるが、右回り 7 ハロン戦で文句なしの勝ちっぷりだった。こちらもリフレッシュ放牧を挟んで立て直されており、理想の良馬場でスムーズな流れなら見直したい。

2 歳戦だけで 7 戦を消化したモズナナスター(矢作)はファンタジー S で前出のダンツエランとハナ差の 2 着。阪神 JF では 9 着だったが、戦歴を見ても距離短縮は間違いなくプラスに働く。今回は松山との新コンビで臨む予定だ。

2 戦 2 勝の関東馬ルージュラナキラ(加藤征)はともに 7 ハロン戦での勝利。相手が強くなるうえ初の右回りだが、岩田康とのコンビ継続は頼もしい。前走は出遅れを克服しての快勝。強さを誇示したが、重賞で同じ芸当をするのは容易ではないだけに、発馬がカギになりそうだ。

2 勝馬は他にキャッスルレイク(松下)、ドゥアムール(中竹)もスタンバイ。ともに 1 週前の坂路追いは好タイムをマークしており、順調に調整されている。

1 勝馬にとっては、まず出走枠に入ることが求められる(特別登録の時点で収得賞金 400 万円の 16 頭中 9 頭が出走可能)。

GⅢクイーン C で案外な大敗を喫したショウナンザナドゥ(松下)は、阪神 JF4 着の実績がある。当日輸送で臨める今回は馬体重の回復も見込めるだけに、リベンジは十分。そのクイーン C で 5 着だったスライビングロード(福永)は母がオークス馬ダイワエルシエーロという血統で、徐々に成長を感じさせる。他にも、7 ハロンで 3 戦オール連対のボンヌソワレ(宮田)は川田、昨秋の新馬戦が強い内容だったインプロペリア(森一)はルメールとのコンビでともに要注目だ。

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