【第 97 回選抜高校野球】注目の小柄な大投手・新里希夢

米子松蔭の新里希夢投手は、身長 158 センチの小さな大投手。中学 2 年の秋に塩塚尚人監督の目に留まり、鳥取に越境入学。入学後は投手として順調に成長し、4 種類の変化球を制球良く操る。投手だけではなく、捕手や内野手もこなせる万能型。

第 97 回選抜高校野球注目選手・新里希夢

158 センチ、56 キロ。躍動感のあるフォームから体全体を使って投げ込む球は、球速以上に切れがある。昨秋の中国大会では全 4 試合に先発して 2 完封を含む 3 完投。大車輪の活躍で準優勝の原動力となった。

神戸市出身の右腕。中学 2 年の秋、当時所属していた野球チームの試合に来ていた塩塚尚人監督(33)の目に留まった。魅力だったのは、軽やかな体の使い方と伸びのある直球だ。塩塚監督の「小さい体を生かして育てる」という指導方針にも魅力を感じ、鳥取に越境入学することを決めた。

入学後は投手として順調に成長した。直球に加えてカットボールやスライダーなど 4 種類の変化球を制球良く操る。球の出所が低いので、打者はあまり見たことがない軌道になるという。背の高い選手をうらやましく感じた時もあったが、今では小さな体を最大限に生かし武器にしている。

投手だけではなく、捕手や内野手もこなせる万能型だ。昨秋の中国大会決勝では先発したものの、打ち込まれて五回途中 6 失点で降板すると、捕手の惣郷峻吏(そうごう・しゅんり)選手(2 年)にマウンドを譲り、代わりに自らマスクをかぶった。

「(捕手で起用され)ちょっとびっくりした」と振り返ったが、それでも「チームを勝ちに近づけるのが大事」。3―6 で敗れたものの、公式戦自身初の捕手までやり切ってみせた。

名前の「希夢」には、「希望を持って育ち、人生での夢をかなえてほしい」という意味が込められている。小柄な大投手がチームをセンバツ初勝利に導く。

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