日本ハム新庄監督が語る、将来の阪神監督就任への本音
日本ハム・新庄剛志監督が、本紙専属評論家の伊原春樹氏の質問に答え、将来的な古巣・阪神の監督就任への思いを語った。

新庄監督、阪神監督就任への思いを語る
昨季は指揮官就任後、初の A クラスとなる 2 位に躍進した日本ハム・新庄剛志監督(53)。しかし、CS ファイナルステージではソフトバンクに 1 勝もできず敗退した。その雪辱を果たすべく、今季は 9 年ぶりのリーグ V と日本一奪回に燃える指揮官を、本紙専属評論家の伊原春樹氏が直撃した。
新庄監督の自信
新庄監督は「クビにならずによかったな?」との軽いジャブを打ってみると「僕次第でした。日本一になるつもりでやっていましたので」と言った。気持ちに整理をつけることに時間が必要だったようだ。ただ、選手を底上げしたのは間違いなく彼の手腕だろう。現有戦力について「育てましたよ。使いましたもん、自分で。2 チームつくれるくらい層が厚くなりました。(一、二軍でも)だいぶ振り分けた。やっぱり 3 年かかりますね」と満足そうだったことも納得だ。
新庄監督の作戦
そう話しているうちに、今季にかける思いがヒシヒシと伝わってきた。昨季、リーグ優勝したソフトバンクには 13・5 ゲーム差をつけられた。だが、彼は「(対戦成績は 12 勝 12 敗 1 分けで)一応、5 割。負けてない」。負けん気の強さはまるで衰えていなかった。もちろん、ソフトバンクを倒さなければ優勝はない。91 盗塁とリーグ 1 位の機動力で対抗するというが、51 盗塁死はリーグワーストだ。その点を指摘すると「ほとんどグリーンライトなんですよ。刺されたのが一番多かった」と本人も改善の余地があるとみているようだった。
新庄監督の育成
作戦面に関わるので詳細は伏せるが、私の経験談を話すと、彼は目を輝かせながらどんどん質問してきた。その貪欲な姿勢に「1 点でも多く点を取りたい」という強い意志が見えた。
新庄監督の采配
口八丁手八丁で選手を乗せることが実にうまい。だが、そこには緻密な計算を働かせている。例えば、清宮をほめないことで知られるが「打席での余裕も出てきたし、ここからはおだてていきますよ。マスコミには厳しく言いますけど」だそうだ。
新庄監督の夢
昨年 12 月にはキャンプも始まっていないのに、野村を開幕 4 番に指名した。これにもしっかりとした考えがあり「野村に期待しているんですよね。プレッシャーをかけようと思って。4 番は 15 試合だけだぞ。結果出なかったら二軍に落とす、トレード出すって」とニヤリと笑い「それをどうとるか。4 番で 60 打席も出るのと思うか、60 打席しかないと思うか。開幕 1、2 戦で(安打が)2 本ぐらい出ればポンポンと乗っていける」とソロバンをはじいた。何ともしたたかだ。
新庄監督の野望
手塩にかけて育てた選手とともに頂点を目指していくが、その先の夢をどう考えているのか。奇想天外な男だ。あえて「将来、古巣の阪神監督になるつもりはあるのか?」とぶつけてみた。
新庄監督の回答
新庄監督は「ハハハ」と笑うと「(阪神は)強いじゃないですか。僕は弱いチームが好きなんで。その代わりに(そのチームで)3 年間好きにやらせてもらう」とキッパリ否定されてしまった。どうやら自力でチームを強くすることに、やりがいを感じているようだ。
まとめ
ファンの関心を集め、話題を提供するこも野球界の発展につながる。その点、新庄監督は打ってつけの存在で本人も「今は監督の名前でファンを呼べる監督がいない。営業マンとしても億単位で貢献している。それも大事でしょ」と自覚していた。今年はどんな戦いを見せてくれるのか注目したい。