【競馬の伝説】05 年メイショウボーラー、ダート転身で奇跡の勝利!
05 年のフェブラリー S を制したメイショウボーラーの伝説的な勝利を振り返ります。

05 年のフェブラリー S を制したメイショウボーラー
メイショウボーラーは、05 年のフェブラリー S で見事な逃げ切り勝利を収めました。そのレースぶりは、まさに圧巻でした。
その前に、フェブラリー S に出走するまでの歩みを振り返りたいと思います。小倉でデビューし、新馬、フェニックス賞、小倉 2 歳 S を制し、デイリー杯 2 歳 S も 2 馬身差で勝利して 4 連勝を果たしました。
しかし、朝日杯 FS では首差 2 着に敗れ、にわかに雲行きが怪しくなりました。父はタイキシャトルで、クラシックに向かっても距離に不安がありそうでした。
弥生賞 2 着、皐月賞 3 着と結果が続き、古馬の壁にもはね返されて白星から遠ざかっていました。
04 年の暮れ、白井寿昭師が「ダートでもいけると思うんや」と報道陣に話したことで、ダート転身が決まりました。
ダート転身初戦の 05 年ガーネット S で、メイショウボーラーは白井師の想像を超える走りを見せ、2 番手をスイスイ追走して、あっさりと抜け出し、2 馬身差で完勝しました。続く根岸 S も 7 馬身差をつけて逃げ切りました。
そして迎えたフェブラリー S。単勝 2 倍の 1 番人気で、8 枠 14 番からの発走でしたが、スピードの違いであっさりとハナを奪いました。
そこからが圧巻でした。6 馬身、7 馬身…。どんどん後続を引き離していく。1000 メートル通過は 57 秒 8。さすがに競馬場がどよめいたが、直線を向いても逃げ脚に陰りは見られませんでした。1 分 34 秒 7、レコードでの逃げ切りでした。
松本好雄オーナーは感嘆しました。「ダートへの出走を渋った私を説き伏せた白井先生は本当のプロの目を持っている」。最大級の賛辞で指揮官のファインプレーを称えました。横では白井師が最高の笑顔を浮かべていました。