共同通信杯から直行したゴールドシップ
共同通信杯は、近年皐月賞の最重要前哨戦となっている。12 年のゴールドシップがこのレースを制し、その後の活躍を見せた。

ゴールドシップがパイオニア!?共同通信杯から直行で皐月賞を制した馬たち
近年の共同通信杯は、皐月賞の最重要前哨戦という位置づけになっている。その先駆けとなったのは 12 年のゴールドシップ。後に GI を 6 勝する「白い怪物」の 3 歳春の 2 戦を振り返る。
ゴールドシップは父ステイゴールド、母ポイントフラッグ、母の父メジロマックイーンの血統。2 歳夏のデビューから新馬、コスモス賞と連勝を決める。しかし、その後は札幌 2 歳 S でグランデッツァ、ラジオ NIKKEI 杯 2 歳 S でアダムスピークに屈し、ともに 2 着に敗退。そして迎えた 3 歳初戦が共同通信杯だった。初コンビの内田博幸騎手に鼓舞されて好位をとると、逃げる 1 番人気のディープブリランテをマークするように手応え良く運ぶ。迎えた直線、ジワジワと加速すると、残り 100m で一気にかわして先頭へ。最後は 1 馬身 3/4 の差をつけて、待望の重賞初制覇を果たしたのだった。
その後はリフレッシュを挟み、皐月賞に直行した。人気こそグランデッツァ、ワールドエース、ディープブリランテに続く 4 番手だったが、レース史に残る衝撃の走りを見せることとなる。道中は最後方追走。向正面では厳しい位置取りに思えたが、内田騎手は 3 角から「イン捲り」を選択する。これが大正解でグングンとポジションを上げると、直線に向いたところでは早くも 3 番手。そこからも勢いは衰えることなく、残り 200m で先頭に立つと、後続を寄せ付けずに 2 馬身半差の完勝。自身はもちろん、須貝尚介調教師にとっても初の GI タイトル獲得を果たしたのだった。
ゴールドシップを含め、共同通信杯を制してから皐月賞に直行し、連勝を果たした馬は 5 頭いる。順に 14 年のイスラボニータ、16 年のディーマジェスティ、21 年のエフフォーリア、そして昨年のジャスティンミラノである。今年、この「系譜」を受け継ぐ馬は出てくるのか。今年のクラシック戦線を占う意味でも、共同通信杯は気になる一戦となりそうだ。